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大谷翔平が近づいている50-50ではないが、それぞれ別のシーズンに50本塁打と50盗塁は何人いるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジム・リーランド(左)とバリー・ボンズ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)は、史上初の「50-50」まで、あと4本塁打と4盗塁としている。9月8日の5回裏に、46本目のホームランを打った。これを書いている時点で、試合はまだ終わっていない。【追記:9/9】その後は、ホームランも盗塁も増やすことなく、試合終了となった。

 別々のシーズンであっても、50本塁打以上と50盗塁以上をどちらも記録した選手は、わずかしかいない。ブレイディ・アンダーソンバリー・ボンズ。この2人だけだ。

 アンダーソンは、1992年に53盗塁(21本塁打)、1996年に50本塁打(21盗塁)を記録した。ボンズは、1990年が52盗塁(33本塁打)、2001年は73本塁打(13盗塁)だ。

 アンダーソンのシーズン本塁打は、1999年の24本が2番目に多かった。シーズン30盗塁以上は、19961992年を含めて3度。1994年の31盗塁と1999年の36盗塁がそうだ。

 ボンズは、シーズン50本塁打以上こそ1度だが、40本以上のシーズンは8度を数え、そのうちの6度は45本以上。2000年は、50本まであと1本に迫った。シーズン40盗塁以上も、3度記録している。

ブレイディ・アンダーソン Aug 26, 1997
ブレイディ・アンダーソン Aug 26, 1997写真:ロイター/アフロ

 1シーズンに50本以上のホームランを打ったことがある31人の、シーズン50本塁打以上の回数とシーズン50盗塁以上の回数に、ホームランと盗塁、それぞれのシーズン最多は、以下のとおり。

筆者作成
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 彼らのうち、半数近い14人は、二桁盗塁のシーズンがない。セシル・フィルダーに至っては、1996年の2盗塁がキャリアのすべてだ。阪神タイガースでプレーした1989年も、38本塁打と0盗塁だった。ちなみに、息子のプリンス・フィルダーは、通算18盗塁。通算本塁打は、親子のどちらも319本だ。

 マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)も、通算255本塁打の一方で、通算盗塁は二桁に達していない。2018年が2盗塁、2020年が1盗塁、2021年が4盗塁、2023年は1盗塁。今シーズンは、盗塁も盗塁死もない。

 なお、アンダーソンとボンズを含め、シーズン45本塁打以上とシーズン45盗塁以上の両方を記録したことがあるのは、4人5人だ。アレックス・ロドリゲスは、45本塁打以上が5度と45盗塁が1度。マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2012年に49盗塁、2019年に45本塁打(トラウトを見落としていたので、追記しました)。大谷は、2度と1度。2021年に46本のホームランを打ち、今シーズンは、46本塁打と46盗塁を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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