うつ病のセルフチェック(うつ病患者が周囲に望むこと)
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、うつ病の話をしたいと思います。
とその前に、あなたが「うつ病がどうか?」チェックしてみましょう。
私が今から質問を5つしますので、「ハイ」がいくつあるか数えてみてください。
では、いきます。
1.毎日の生活に充実感を感じられない。
2.これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった。
3.以前は楽に出来ていたことが、今では億劫に感じる。
4.自分が社会に必要な人間であるとは思えない。
5.身体がだるい、疲労感が抜けない。
如何でしょう?
「ハイ」がいくつありましたか?
2つ以上、「ハイ」と答え、それが2週間以上、ほぼ毎日続いていていたり、仕事に行けないもしくは家事ができない等、日常生活に支障があったりする場合は、あなたはうつ病である可能性が高いです。※ あくまでも可能性です。上記のセルフチェックは、医師の診断の代わりになるものではありませんので、どうぞご承知おきください。
よって、
これ以上、悪くならないうちに、お早めに精神医学に詳しいカウンセラーもしくはメンタルクリニックへ行くことをおススメいたします。
ここで「うつ病ってどんな病気?」という質問に答える形で、
精神症状と身体症状について、ご説明していきたいと思います。
精神症状では、
無関心になる、不安や焦りを感じる、些細なことでイライラする、喜びを感じられない、楽しいと思えない、集中することができない、悪いことばかりを考える、意欲がなくなる、気分が落ち込む、等があります。
身体症状としては、
頭が痛い、耳鳴りがする、夜寝られない、朝早く目が覚める、腹が痛い、肩凝りがする、性欲がなくなる、生理不順となる、下痢や便秘を起す、腰が痛い、食欲がない、何を食べても美味しいとは思えない、心臓がドキドキする、等があります。
また、うつ病になった方は、外見や服装を気にしなくなったり、口数が少なくなったり、酒の量が増えたり、ギャンブルをするようになったりなど、行動面でも症状を出すことが少なくないです。
今、お話を聴いておわかりになったかと思いますが、うつ病という病気は、10人が10人、うつうつとして元気がなくなるわけではなく、中には、不安や恐怖心をごまかすために行動的になる人もいるので、専門家でない限りは、パッと見、「うつ病であるかどうか?」周囲の人にもわからないことが多いです。そして、本人も自分がうつ病であることに気付いてないことが多いです。
私も、かつてうつ病(のちに双極性障害だということが判明)になったことがあるのですが、とにかく毎日が辛かったです。何をしても楽しくなく、自分でも何が辛いのかわからないくらい辛かったです。
そして、体が鉛のように重く、身体を動かすのが本当にしんどかったです。女房・子どものために、仕事に行こうという気力はギリギリあったのですが、「自分のために何かしよう」「遊びに行こう」いう気には全くなれなかったです。
気分が暗く落ち込むことは日常でしたが、些細なことでイライラすることも多く、それでいて、わけもなく哀しくて泣ける日も少なくありませんでした。今、思い出しても、あの頃は本当に地獄のような日々でした。
さて、うつ病になる原因は、大きく分けてふたつあります。
ひとつめは、ストレスが高じてなる場合、
もうひとつは、脳という臓器の働きの調子が悪くなった場合です。
今言ったように、うつ病には大きくわけて2種類あります。悩みやストレスから発症するノイローゼのうつ病(心因性のうつ病)と、脳という臓器の異変による発症するうつ病(内因性のうつ病)の2種類です。もちろん厳密に分けられるものではなく、どちらとも言えないうつ病の方も大勢いらっしゃいます。
悩みやストレスから発症するノイローゼのうつ病のことを、
心因性うつ病と呼んだり、抑うつ神経症と呼んだり、ディスミチア親和型うつ病と呼んだり、非定型うつ病と呼んだり、新型うつ病と呼んだりしますが、これらのうつ病は、うつ病全体の約8割を占め、薬と休養だけでは、基本、良くなることはありません。
ちょっと例をあげます。
今日私が、この記事を書き終え、家に帰る途中、犬のうんこを踏んづけ、財布を落とし、家に着いたら、家内が家出していたらどうでしょうか? ものすごく落ち込んで、うつうつとした気分になるのではないかと思いませんか?
そんな私が、休養してお薬を飲んだら、うつ気分が晴れるでしょうか? 晴れませんよね。私がうつ気分から脱するためには、靴が綺麗になること、落とした財布が見つかること、家内が無事に家に戻ってくること、が必要になって来るかと思います。
そう、私に必要なのは、薬や休養ではなく、環境の変化だったり、気の持ちようだったりするというわけです。
ストレスや悩みからうつ病になった患者は、薬と休養だけでは良くならない、環境や本人の物の考え方を変えない限りは、よくならない、というのは、そういう意味です。
薬と休養だけではよくならないうつ病の方は、次に該当することが多いです。
1.悩みごとがある。ストレスに苛まれている。
2.趣味や遊びなど、やりたいことはやれるが、仕事など、やらなければならないことはやれない。
3.自分がうつ病になったことを周囲にアピールする。
4.自分を責めるより、他者を責めることが多い。
5.昼近くまでダラダラ寝ていることが多い。
如何でしょう?
今言った症状にあてはまる方は、病院に通って、薬物治療を受けているだけでは良くなる可能性は低いです。お早めに精神医学に詳しいカウンセラーの許を訪ねることをおススメいたします。
今、わざわざ精神医学に詳しいカウンセラーと言ったのですが、カウンセラーの中にも、精神医学や薬の知識が皆無の方がいらっしゃるので、行く際は、どうぞお気をつけください。
ちなみに私の場合は、心因性のうつ病ではなく、内因性のうつ病だったので、環境を変えなくても、考え方を変えなくても、少量のお薬だけで、うんと症状が緩和されました。
お薬は、飲み始めて2週間ほどで、ハッキリ効果を実感しました。
さてここで、
うつ患者が周囲の人に望むことをご紹介したいと思います。
うつ患者が周囲の人に臨むことは、次の7つになります。
① 頑張れない、辛い気持ちをわかって欲しい。
② 口やかましく指示しないで欲しい。
③ 傷つけるような言動をしないで欲しい。
④ 大人として人間として認めて欲しい。
⑤ 世間体を必要以上に気にしないで欲しい。
⑥ そっとしておいて欲しい。
⑦ ひとりにしないで欲しい。
以上です。
⑥と⑦は矛盾しているように感じるかもしれません。
要するに、近くいてあげて、そっと寄り添っていただけると、うつ病患者は大変に助かるということです。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。