月着陸機「Nova-C」が打ち上げ!2月22日に着陸予定、民間企業初の月面着陸を目指す
本日2月15日、アメリカのインテュイティブ・マシーンズ社(Intuitive Machines)が開発した月着陸機「Nova-C」が打ち上げられました。
JAXAの月着陸機「SLIM」が月面着陸に成功したことでも話題になりましたが、もしNova-Cの着陸が成功すれば、民間企業では世界初の快挙となります。本記事では、Nova-Cのミッションや将来計画について詳しく見ていきましょう。
■民間企業で世界初の月面着陸を目指す!
Nova-Cはアメリカ フロリダ州のケネディ宇宙センターより、SpaceX社のファルコン9ロケットで打ち上げられました。着陸予定日は打ち上げから約7日後の2024年2月22日付近で、月面のマラパートAクレーターに着陸します。もし成功すれば、民間企業では世界初であり、アメリカは1972年のアポロ17号以来、なんと52年ぶりの月面着陸となるのです。
最近は民間企業による月面着陸への挑戦が激化しています。2023年4月には、日本のispace社がHAKUTO-RのM1ランダーで月面へ降下をしましたが、結果的に墜落しています。
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また、2024年1月にはアメリカのアストロボティック社が開発した「ペレグリン」が月着陸を目指しましたが、ロケット分離後に姿勢制御ができずに地球へ再突入しています。
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■月までSLIMは4か月かかったのに、なぜNova-Cは一週間?
JAXAの月着陸機「SLIM」が約4か月かけて月へ向かったのに対し、Nova-Cは非常に短く感じるかもしれません。SLIMが経由したルートは大回りで時間がかかる代わりに、太陽の重力を利用するので少ない燃料で月にたどり着くまでの軌道なのです。宇宙飛行士が搭乗していない無人の探査機なら、時間をかけてより機体を軽くしようということですね。
一方でNova-Cは、地球から月へ直接遷移するため燃料は多く必要ですが、宇宙での探査機や貨物の寿命や、長期運用の手間などを省くことができるというメリットがあるのです。
■Nova-Cが月面へ運ぶ貨物を紹介
NASAはスペースシャトルにより宇宙への貨物輸送を行っていましたが、民間企業を宇宙開発市場へ積極的に引き込むことを目的として、商業軌道輸送サービス(CLSP)を開始します。簡単に言うと、スペースシャトルなどの政府が運用する宇宙船の代わりとして、NASAは民間企業へ月着陸船の開発支援を行ったのです。今回のNova-Cと、前述のペレグリンはNASAにより月面輸送サービスとして最初に選定された2社になります。
そのため今回月面へ運ぶ貨物は、NASAを通して委託された6つの科学機器が搭載されています。Nova-Cが着陸した際に舞い上がるダストを観測するカメラや、月表面近くの光電子シースの密度を電波で観測する機器などが搭載されています。月面で10日間ほど運用をする予定とのこと、続報が楽しみですね。
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