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いま、センターバックの価値を考える。後ろからの構築とボールの循環の重要性。

森田泰史スポーツライター
リヴァプールのファン・ダイク(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

「監督というのは、実はそれほど重要ではない」

そう語るのは、ラウール・カネダだ。彼は2000年代にレアル・ソシエダとアルメリアで第二監督を務めた経験がある。フアンマ・リージョ当時監督(現マンチェスター・シティのアシスタントコーチ)に評価され、コーチングスタッフとして入閣した。その後、監督としてアジアを周り、プレミアリーグの複数クラブで分析担当のタスクを果たした。そのカネダが、付け加える。

「現在のリヴァプールの成功に言及する時、決定的なのが(フィルヒル・)ファン・ダイクの存在だ。それは確実に証明されていると思う」

空中戦にも強い
空中戦にも強い写真:ロイター/アフロ

リヴァプールがファン・ダイクを獲得したのは、2017年の冬の移籍市場だ。

それ以降のリヴァプールの躍進は目覚ましかった。2017−18シーズン、チャンピオンズリーグで決勝に進出。2018−19シーズン、チャンピオンズリーグ制覇。2019−20シーズン、プレミアリーグ優勝。イングランドと欧州でリスペクトされるチームになった。

一方、昨季は苦しんだ。シーズン序盤戦でファン・ダイクがひざを痛めて長期離脱を強いられたためだ。ファン・ダイクが長期離脱する前、彼が出場した試合でリヴァプールの勝率は70%を超えていた。対して、彼が欠場した試合では勝率54%だった。その影響力を否定するのは難しいだろう。

ピケに指示するシャビ
ピケに指示するシャビ写真:ムツ・カワモリ/アフロ

現在、冬のマーケットが、開こうとしている。

スペインで話題になったのが、バルセロナのフェラン・トーレス(マンチェスター・シティ)獲得だ。バルセロナの移籍金5500万ユーロ(約71億円)+ボーナス1000万ユーロ(約13億円)のオファーに対して、シティ側が売却を決断した。

移籍市場が開くたびに、「主役」になるのはアタッカーの選手たちだ。ただ、いま、考えるべきはセンターバックの価値ではないか。私はそう感じている。

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■ビッグクラブのセンターバック

世界を見渡せば、ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ)、ラファエル・ヴァラン(マンチェスター・ユナイテッド)、チアゴ・シウバ(チェルシー)、マルキーニョス(パリ・サンジェルマン)、ダヨ・ウパメカノ(バイエルン・ミュンヘン)と、素晴らしいセンターバックがいる。

リーガエスパニョーラではジュール・クンデ(セビージャ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)らにビッグクラブから熱視線が注がれている。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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