一人泊も歓迎!源泉掛け流し、茅葺屋根の老舗旅館に湯滝から落ちる湯の音が響く「白布温泉 西屋」
温泉ライターの泉よしかです。
山形県米沢市の白布温泉で、昔懐かしい茅葺屋根の母屋を残す「西屋」。豪快な湯量を誇る総ヒバ造りの湯滝風呂が自慢のこちらのお宿は、今、一人泊にとても力を入れているそうです。
今回はこの湯滝風呂のレポートと若女将に伺ったお話を中心に「白布温泉 西屋」をご紹介します。
白布温泉の西屋
白布温泉は米沢から福島県の檜原湖へ向かう道の途中にあり、規模は大きくありませんが数軒の旅館が建つ歴史ある温泉地です。また温泉街の東側には天元台高原があり、冬はスキー客でにぎわいます。
かつては西屋、東屋、中屋と3軒の茅葺屋根が並んでいた白布温泉。2000年に温泉街で火災があり、今は当時の茅葺屋根は西屋にのみ残されています。
筆者は2004年、2018年と白布温泉に立ち寄ったことがありますが、2024年7月に再訪したときにも、変わらずどこかノスタルジックな風景が出迎えてくれました。
ちょうど雨が降ったりやんだりの日だったため、湯守である若女将がレインウェアを来て温泉の温度調節に走り回っているところでした。
白布温泉の源泉は60度近くあるカルシウム―硫酸塩温泉で自噴しています。熱すぎてそのままでは入れないため、「西屋」では必要に応じて山の水で加水して掛け流しでお風呂に注いでいます。この自然相手の温泉の湯加減調節は、湯守の腕の見せ所でもあります。
名物の湯滝風呂を楽しむ
それではさっそく「西屋」自慢の湯滝風呂へ行ってみましょう。
お風呂に入る前に驚かされるのは、浴室前の廊下を通る時、木道のような簀の子の下をざんざんとお湯が流れていくこと。まるで温泉の川の上を歩いているようで感動します。
これだけでも、白布温泉の湯量の豊富さを見せつけられているようです。
そして浴室に入れば、木と石の織り成す情緒満点の湯治場風情に、思わず「おお!」と声を上げてしまいます。
シャンプーなどの備え付けはありますが、シャワーは無く、湯船のお湯を桶ですくって洗う素朴なスタイル。
奥にある3本の湯滝の存在感たるや!
ザンザンザブザブと浴室一杯に音を響かせて滝のように落ちてきます。
しかしこの浴室に入ったら、まず一番先にすることは、掛け湯専用の槽からお湯を組んでおくこと。そのままだと熱いので、先に汲んで冷ましておき、出がけにさっと掛けることを勧める張り紙があります。
それでは一杯分汲んでから、体を洗って入浴することにしましょう。
入浴用の浴槽もたっぷりの深さ。そして小気味よく溢れる温泉が御影石の浴槽の縁から掛け流されていきます。なんとも贅沢なお湯遣い。
淡い硫化水素臭がして、白い湯の花もたくさん。肌はすべすべしっとり。浴室で過ごす時間そのものが、日常の疲れを癒してくれるようです。
湯上がりには、最初に汲んでおいた桶の源泉をザバッと掛けます。気持ちよいと感じる、ほどよい温度に冷めていました。
一人旅を応援!一人泊向けの宿泊プランも
「西屋」の若女将に少しお話を伺うことができました。
温泉は自然に湧いているものだけに、熱い日もあれば急な雨でぬるくなってしまうこともある、しかしそれこそが温泉が自然の恵みである証であり、きもちよく入浴できる温度に整えるのが湯守の仕事とキッパリ。
また、なんと「西屋」は一人泊専用の客室が5室もあるのだそうです。
昨今は温泉旅館に一人で泊まりたいお客さんが増えてきましたが、実際には一人泊だと断られることも少なくありません。特に繁忙期はその傾向にあります。
たとえ一人泊できるとしても、2人以上が優先のため直前の電話予約のみ受け付けるという場合もあり、つまるところ一人泊したいと思っている旅行者に対し、受け入れてくれる施設が限られている現状があるわけです。
一方「西屋」には、通年一人泊専用のプランがあり、気兼ねなく一人旅のベースとすることができます。
加えて今後はオフシーズン向けに、一人泊専用ルーム以外の2部屋を一人泊に開放し、計7室を一人泊に活用する計画や、連泊湯治向けの食事を提供するお手頃価格のプランも検討しているそうです。
もちろん現時点でも素泊まりまたは朝食付きの一人泊プランが1万円未満からあります。一人旅で温泉宿に泊まりたいと思う方はチェックしてみてくださいね。
なお、「西屋」は全館禁煙です。建物内、および屋外スペースに喫煙所はありません。
白布温泉 湯滝の宿 西屋
住所:山形県米沢市大字関1527
電話:0238-55-2480
日帰り入浴:11:45~15:30(不定休)大人700円、小学生350円
公式サイト:白布温泉 湯滝の宿 西屋(外部リンク)
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