週明けにも「にわか雨」の上がりをまって関東甲信などの「梅雨明け」発表か?
連日の猛暑
例年、6月下旬になると、沖縄・奄美地方は梅雨明けで晴天が続き、西日本から東北地方が梅雨本番となって曇りや雨の日が続きます。
令和4年(2022年)も、6月20日に沖縄地方で平年より1日早い梅雨明けをし、その2日後の22日には、奄美地方で平年より7日早い梅雨明けをしました。
しかし、沖縄付近から北上してきた梅雨前線は活動が不活発で、6月25日には日本付近から梅雨前線が消え、次の梅雨前線候補だった日本海から南下してきた寒冷前線も途中で消えています。
このため、高気圧の縁辺をまわるように暖かくて湿った空気が日本列島に流入したため、東海から西日本は、所によって雷を伴った豪雨が降りましたが、東北南部から東日本にかけては、晴れて強い日射があったことから、関東地方を中心に、全国64地点で最高気温が35度以上の猛暑日を観測しました。
気象庁で気温を観測しているには914地点ですので、全国の約7パーセントが猛暑日で、これは、今年最多です。
また、関東地方では山越えの気流となったこともあって、より一層気温が高くなり、群馬県伊勢崎市では最高気温が40.2度となりましたが、6月に40度を超したのは初めてです。
さらに、東京では、最高気温35.4度を観測し、気象観測を始めた明治8年(1875年)以降、一年で最も早い猛暑日となりました。
翌6月26日も猛暑でした。
日本列島には前線が見当たりません(タイトル画像参照)。
猛暑日を観測した地点数は30地点と半減し、40度を超した地点もありませんでしたが、最高気温が30度以上の真夏日は539地点(約59パーセント)、最高気温が25度以上の夏日は856地点(約94パーセント)と、ともに今年最多でした(図1)。
梅雨期間は、太陽高度が一年で一番高いこともあり、梅雨の間の晴天時には真夏のような気温になることは珍しくありませんが、令和4年(2022年)6月25日の暑さは記録的な暑さでした。
週明けの大気不安定
週明けの6月27日も、似たような天気図です(図2)。
大気の下層に暖かくて湿った空気が流入し、記録的な猛暑が続く見込みです。
ただ、週明けは大気の上層にちょっとした寒気が流入してきますので、下層と上層の温度差が大きくなり、大気が不安定となる見込みです(図3)。
このため、積乱雲が発達し、局地的な豪雨や落雷、竜巻などの突風やひょうなどに注意が必要です。
各地の10日先までの予報によると、北海道は曇りや雨の日が続き、梅雨期間のような天気ですが、その他の地方では、晴れの日が続く予報です(図4)。
梅雨明け後の天気ですので、もし、週明け後の大気不安定の雨のあとに梅雨明けしないと、長い梅雨の中休みとなってしまいます。
気象庁の予報官が「記録的に早い梅雨明け」とするか、「長い梅雨の中休み」とするかは分かりませんが、どちらにしても難しい判断です。
関東甲信地方が週明けに梅雨明けしたとすると、平成30年(2018年)の6月29日を抜いて、最も早い梅雨明けとなります(図5)。
関東甲信地方は、「梅雨入りが早い年は梅雨明けが遅い」という傾向がありますが、令和4年(2022年)は梅雨入りが早く、梅雨明けも早かったということになります。
また、東海地方が週明けに梅雨明けしたとすると、昭和38年(1963年)に次ぐ二番目に早い梅雨明けということになります(図6)。
梅雨明けするしないに関わらず、気温が高い日が7月中旬までは続く真夏の予想ですので、猛暑に対して厳重な警戒が必要です(図7)。
【追記(6月27日13時30分】
気象庁は6月27日昼前に、関東甲信、東海、九州南部の梅雨明けを発表しました。この記事で書いたように、大気不安定による雨を待ちませんでした(表)。
九州南部では、昭和30年(1955年)の6月24日に次ぐ早い記録です。
タイトル画像、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2、表の出典:気象庁ホームページ。
図5、図6の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
図7の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。