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「やらずに後悔するよりも」と仮交際相手にiPadを贈呈。フラれました~おみおじリポート(155)~

大宮冬洋フリーライター
メディア企業勤務の多趣味な男性。穏やかなのに過激な一面もあります。(本人提供)

自分の弱点やコンプレックスを笑う余裕があれば「面倒臭くない人」になれる

※2023年5月9日追記。浜崎さんはオネット内でお見合いした女性と真剣交際に入りました。当然ながら、新たなお見合いはしていません。ご了承いただき、彼の成婚退会を一緒に願っていただけると幸いです。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 世の中には面白い人がたくさんいますよね。お笑い芸人のような軽快な面白トークができる、という意味ではありません。一見するとすごくまともなのに、ちょっと異常というか偏りのようなものが感じられるのです。僕はそれを見つめて笑いたい。もちろん、共感と愛情を込めて、です。

 特に男性の中には「バカにされた!」と怒っちゃう人がたまにいます。それは違うんじゃないでしょうか。自分の変なところや弱点を笑い飛ばすぐらいの余裕が欲しいし、相手の言い方が悪意を含んでいるのか好意を込めているのかを見極めてほしい。それができれば、女性からも「面倒臭くない人」「変な地雷を抱えていない人」と受け止められて、生活のパートナーとしても選ばれやすくなるはずです。

今回登場する男性の趣味の一つは散歩。30キロほど歩くこともあるそうです。写真も上手ですね!(本人提供)
今回登場する男性の趣味の一つは散歩。30キロほど歩くこともあるそうです。写真も上手ですね!(本人提供)

掃除はルーティンじゃないけれど、やるときは本棚やフィギュアなども含めて徹底清掃

 さて、僕が思わずいじりたくなるような男性がオネットに登場します。都内のメディア関係会社で総務経理の仕事をしている浜崎隆弘さん(仮名、40歳)です。Zoomで面接をすると、ちょっと緊張気味ながらも朗らかな笑みを絶やさず、言葉を選びながら丁寧に話してくれます。そして、その生活ぶりや趣味について聞くと、本人も認める「独特の傾向」がうかがえるのです。

「自炊はしますが平日は粗食で、玄米派です。食べ物の好き嫌いはなく、お酒は飲み、たばこは吸いません。今日はがっつりやるぞと決めた週末の料理は、低温調理やスパイスカレーといった趣味的色合いが強いものがほとんどです。御徒町や大久保の香辛料ショップをたまに覗いたりします」

 自宅の掃除も毎日はしないけれど、「ホコリや汚れが目につき始めたら本棚の本やフィギュアなども含めてしっかりめに掃除」するそうです。ちなみに洗濯は毎日やる、とのこと。浜崎さんなりに生活習慣が確立しているのでしょう。料理以外の趣味にも、本人が「共感性が低い」と自嘲する傾向があります。

「散歩はもともと運動代わりに始めました。でも、今では『その辺をぶらり』ではなく、緯度を揃えてディズニーランドまでひたすら南下したり、街の建物や家並みを見てどういう地域なのか考察したり自分が住んでいることを妄想したり。30キロくらい歩くこともあります」

 うーん、面白い! だけど、単なる散歩で30キロも歩くなんて尋常ではありませんね……。

映画エキストラ出演も趣味の一つ。「自分が映ることが目的でなくカメラワークや監督の指示を見ているのが好き。長時間拘束や気温などそれなりに大変でも完成した作品を見ると感動」とのことです。(本人提供)
映画エキストラ出演も趣味の一つ。「自分が映ることが目的でなくカメラワークや監督の指示を見ているのが好き。長時間拘束や気温などそれなりに大変でも完成した作品を見ると感動」とのことです。(本人提供)

いつも一緒でなくてもいいから何でもないことをおしゃべりする相手がほしい

 絵に描いたような、というかちょっとこじらせ気味なほど文化系男子な浜崎さん。自分の性格に関する自己分析も深めています。

「同じことの繰り返しをさける部分もあれば、ハマればずっと習慣づいたりすることもあります。例えば、昼食はできれば毎日違うものを会社の周りを歩きがてら探して食べたい。かたやお気に入りのテレビ番組は何はさておき他をほったらかしてでも録画せずに観たりしています」

 他にも、映画のエキストラ出演、コミックマーケットへの出展など、受け身ではないサブカル系の趣味もある浜崎さん。ドラマやドキュメンタリーで孤独、孤立の末路を見るたびに辛さを感じるようになったとのこと。

「趣味や仕事の人間関係では孤立・孤独は癒やされません。24時間いつも一緒でなくてもいいから何でもないことをおしゃべりする相手がほしい、背中を預け合える相手がほしいと思うことが増えました」

 リアルな人間関係で焦るのではなく、テレビの影響というあたりが浜崎さんらしいですね。そして、「惚れやすい」とも自覚しているそうです。

「会ってくれる相手には美味しいものやいい景色などのいい思い出を持って帰ってほしい、といろいろ調べて実行します。その割に成果がありません。あるクリスマスには、仮交際中の相手にiPadをプレゼントしました。以前に電子書籍に興味があるけど読んだことがないと言っていたので……。既婚の友だちからはやり過ぎだと笑われてしまいました。やらずに後悔するよりもやって後悔したほうがいいと思うのですが、婚活ではこういうのは性急すぎて変に思われるのでしょうか」

 性急すぎる、というよりも相手との関係性の問題だと思います。仲が深まった相手からならばちょっとしたプレゼントでも嬉しいし、そうでない相手から高価なものをもらうと重く感じるだけです。

浜崎さんの手料理。自分で育てたパセリを散らしたパエリアです。パートナーができたらiPadではなくこちらをプレゼントしてあげてください。(本人提供)
浜崎さんの手料理。自分で育てたパセリを散らしたパエリアです。パートナーができたらiPadではなくこちらをプレゼントしてあげてください。(本人提供)

甘やかされると人はダメになる。パートナー候補の女性をダメにしてはいけません

「iPadは逆効果ですね。変に甘やかされると人はダメになります。パートナー候補の女性をダメにしてはいけません!」

 マチコ先生がたまらずに口を開きました。ただし、その目は笑っています。清潔感があってちゃんと働いているのになぜか偏ったところがある浜崎さん。マチコ先生も可愛げを見出しているのでしょう。そのうえで、ちょっと厳しい指摘をします。

「浜崎さんは自分を楽しませることに長けています。でも、その能力やエネルギーがパートナー候補の女性に正しく向かっていません。相手のベクトルが自分に向いていないと感じたら女性の心は動きません」

 浜崎さんは他人に興味がないのではなく、自分が楽しくしゃべっていても相手は退屈なのではないかと不安になるようです。その結果、過剰なプレゼントをするなどの行動につながってしまうのです。それでいて浜崎さんは信頼できるパートナーとの親密なコミュニケーションを切実に求めています。

「相手との違いがあるのは当然なので、ぶつかることがあっても対等な大人同士として話し合って折り合いを付けられる人がいいですね。お互いの独特な癖や趣味、習慣を愛して、ともに味わい、ときにスルーし、またときに許し合えるような関係を作れる相手と生活をしたいと思っています」

 浜崎さんがやるべきは、人間関係、特に女性との関係性において健全な自信を持つことだと思います。そのためにはお見合いやデートを重ねながら、客観的かつ適切なアドバイスを受けて、自分の立ち振る舞いや気持ちを少しずつ改善していくしかありません。我がオネットにはマチコ先生という頼もしい存在がいます。フル活用して、良きパートナーを見つけてください。

「コロナで安くなったスイートルームに一人で泊まって、気になるお店のテイクアウトを食べる会」で撮った夜景。確かに独特な趣味傾向ですね……。でも、面白がってくれる女性もいるはずです!(本人提供)
「コロナで安くなったスイートルームに一人で泊まって、気になるお店のテイクアウトを食べる会」で撮った夜景。確かに独特な趣味傾向ですね……。でも、面白がってくれる女性もいるはずです!(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。浜崎さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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