韓国のエイミー・ヤンがメジャー初優勝と同時にパリ五輪行きも確実にした。「全米女子プロゴルフ選手権」の最終日、5バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「72」で回り、通算7アンダーで逃げ切り、メジャー初優勝を手にした。米ツアー通算6勝目となった。

　エイミー・ヤンが最後に優勝したのは、昨年11月の米ツアー最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」で、7カ月ぶりとなった。ただ、今季は出場11試合でトップ10入りは一度もなく、予選落ちは5回と不振が続いていたが、大一番での勝負強さを発揮。

　優勝後には「自分が準備してきたことを信じて、ベストを尽くした。いつもメジャーで優勝することを思い描いてきたし、何度か惜しいところまできたこともあった。長い間、ツアー生活をしながら、引退するまでに私がメジャーで優勝できるのかと疑心を持つこともあった。メジャー優勝を果たすことができ、とても感謝しているし幸せです」と語っている。

　メジャー初優勝と同時にうれしいのは、パリ五輪出場が叶ったことだ。今大会前までは世界ランキング25位だったが、メジャーで勝ったことにより、25日に発表される世界ランキングに15位以内に入るのはほぼ確実。

　五輪出場者は原則で各国2人だが、同15位以内に入れば最大4人までが五輪出場が可能。韓国勢は同7位のコ・ジンヨン、同12位のキム・ヒョージュの2人の出場と見られていた。ところがほぼ不可能に思われていたエイミー・ヤンの五輪出場は、今回のメジャー制覇で叶ったというわけだ。

　ちなみにエイミー・ヤンの五輪出場は、16年リオ五輪以来となる。

申ジエ「私は歩みを止めない」

　一方で悔しさをにじませるのは、日本ツアーを主戦場にする申ジエだろう。今季はパリ五輪出場を叶えるため、日本ツアーを欠場してまでも、ポイントの高い米ツアー参戦を優先してきた。

　昨年の「全米女子オープン」2位と「AIG（全英）女子オープン」3位で一気に世界ランキングをあげ、今年初めには一時、同15位に位置していた。

　ただ、その後は徐々に順位を下げ、「全米女子プロゴルフ選手権」の出場時点の世界ランキングは24位で、優勝に近い成績を出さなければパリ五輪出場は難しい状況だった。結果は2日間を戦い終えて112位タイの予選落ちで、五輪出場は叶わなかった。

　自身のインスタグラムでは、戦い終えた心境についてこう綴っていた。

「一生懸命、走ってきた6カ月の挑戦を終えました。結果は悔しいですが後悔はありません。大きな応援をもらいましたし、幸せでした。私のゴルフはここで終わったわけではありません。まだやりたいことも多く、成し遂げたいこともたくさんあります。私は歩みを止めません。これからも続けて一緒に歩んでください。ありがとうございました」

　申ジエらしい清々しいコメントだが、ゴルフがこれで終わるわけではない。日本でのシーズンは続いており、次はそこで結果を残していくとすでに前向きだ。

　日本勢では山下美夢有が全米女子プロゴルフ選手権で2位に入り、逆転でパリ五輪日本代表入りを確実にした。白熱した代表争いはこれで幕を閉じたが、パリ五輪でのメダル争いも楽しみにしたい。