Apple、3月21日に「Let us loop you in.」メディアイベントを開催
Appleは、3月21日、カリフォルニア州クパティーノにある本社で、メディア向けのイベントを開催する予定です。Appleは報道関係者に招待状を送っており、その画像には「Let us loop you in.」というメッセージが書かれています。
また、ライブストリーミングもAppleのウェブサイトで行われる予定で、既にウェブサイトがオープンしています。
ちなみに「Loop In」は、仲間に入れる、情報を共有するという意味合いです。英語のメールで、Ccに追加するときにも使われます。
今回のメディアイベントでは、4インチサイズの新型iPhoneと、9.7インチサイズのiPadの登場が、かねてから予測されてきました。
iPhoneについては「iPhone SE」という具体的な名称も報じられており、iPhone 5sに近い4インチディスプレイを備えるデザインにiPhone 6sに並ぶ基本性能を収めた仕様になると見られています。
調査によると米国では4インチサイズのiPhoneを好むユーザーがまだ20%ほどおり、こうした人々に最新機種へとアップグレードを促すことで、Appleの最新の写真体験やモバイル決済サービスApple Payへの対応を進めていこうという狙いがあります。
また、新興市場においては、事実上のiPhoneの値下げも期待できます。現在16GBのiPhone 6sはSIMフリーモデルで649ドルとなっており、画面サイズの小さなiPhone SEはさらに100ドル値下げできる可能性があります。加えて、iPhone 5sを併売するなら、現在の価格よりさらに低く設定できます。
先進国での成長がほぼ止まりつつあるスマートフォン市場に対して、製品ラインアップの変革で対応しようとしています。
一方、もう一つ予測されているのが、9.7インチのiPad Air 2の後継機種です。2015年9月のiPhoneイベントでは、12.9インチのiPad Proがお目見えし、プロセッサ等を強化した7.8インチのiPad mini 4がリリースされました。しかし9.7インチのタブレットは据え置かれていました。
今回の製品刷新で、Apple PencilやSmart Keyboardをサポートする、iPad Pro仕様の9.7インチタブレットとして刷新されることに、期待が集まっています。
iPadは依然としてタブレット市場でトップを走っていますが、直近の2015年第1四半期決算では前年同期と比較して販売台数で25%の減少となっていました。MacとiPadの融合はない、と繰り返し表明している一方で、MicrosoftのSurfaceシリーズの好調ぶりから、「より生産性を高め、PCを代替しやすい存在」に進化させる必要があるでしょう。
この点に対して、一定の答えが出されるのではないか、と期待しています。
最後に、現在米国では、AppleとFBIの「iPhoneロック解除問題」が大きな論争となっています。プライバシーか安全保障か、という議論で、シリコンバレーを中心としたテクノロジー企業はApple支持を表明している一方で、銃社会でありテロの脅威を感じる米国民にとって、テロ事件解決を優先し、Appleがロック解除をすべきだとの声も半数にのぼります。
おそらく、今回のイベントで、iPhoneロック解除問題に関する声明も発表されるのではないか、と考えています。イベント翌日の3月22日には、カリフォルニア州リバーサイドの裁判所での聴聞も予定されており、イベントでは、あらためてAppleの考え方に理解を求めることになるでしょう。