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三浦春馬さんの映画をめぐる様々な取り組み!11月11日からはシネ・ウインド「秋の春馬まつり」も

篠田博之月刊『創』編集長
10月11日、京都市役所前に野外スクリーンが(ノコノコさん撮影)

 今年も12月11日、三浦春馬さんの最後の主演映画『天外者』の公開3周年特別上映が全国で実施されることが発表された。三浦さんが他界してから3年以上経つにもかかわらず、こんなふうにその作品が公開され続けるのは異例のことと言ってよい。

「夜の街に春馬さんの声が響きわたったのです」

 さる10月には三浦さんの『太陽の子』が第1回京都映画賞受賞作品として特別上映された。京都ロケなど京都にゆかりのある映画を選ぶ賞として創設されたのが京都賞だが、『太陽の子』は最も多くの票数を獲得したのだった。

 10月11日にその受賞を記念した野外上映が行われたが、参加した京都在住のノコノコさんからの報告を紹介しよう。

京都市役所前の野外上映(ノコノコさん撮影)
京都市役所前の野外上映(ノコノコさん撮影)

《10月11日に京都市役所前で第1回京都映画賞一位に選ばれました『太陽の子』が野外上映されました。夜に見る『太陽の子』がいつも映画館で見ている感覚と違い、静まりかえった夜の街に春馬さんの声が響きわたったのです。海のシーンの波の音もスピーカーが近かったせいか、すごい迫力でした。野外なので風を体感する事も出来貴重な体験となりました。いつも映画館で見ている感覚と違い、静まった夜の街に春馬さんの声が響きわたったのです》

 ここに掲げた上の写真は夕方、映画上映前の会場だが、その下、上映が終わるころには夜も更けていた。

映画上映終了時には夜も更けていた(ノコノコさん撮影)
映画上映終了時には夜も更けていた(ノコノコさん撮影)

11月11日から「秋の春馬まつり2023」

 そしてこの11月11~17日には、新潟の市民映画館「シネ・ウインド」で「秋の春馬まつり2023」が開催される。三浦春馬さんを応援する会「Nはるるん会」による三浦さんの映画の特集上映のほか会のメンバーによるトークなども行われる。

上映される三浦さんの作品は「森の学校」「《ゲキ×シネ》ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」だ。

「シネ・ウインド」の公式サイトは下記。

https://www.cinewind.com/

新潟の市民映画館「シネ・ウインド」(同映画館HPより)
新潟の市民映画館「シネ・ウインド」(同映画館HPより)

 その「秋の春馬まつり2023」を記念して同館が発行している会報『月刊ウインド』11月号は表紙が「森の学校」だ。

会報『月刊ウインド』11月号は表紙が「森の学校」(筆者撮影)
会報『月刊ウインド』11月号は表紙が「森の学校」(筆者撮影)

市民映画館「シネ・ウインド」の取り組み

 この映画館がこうした取り組みをどんなふうに行ってきたのかについて、同映画館の井上経久さんが月刊『創』(つくる)編集部にこういうメールを送ってきてくれた。紹介しよう。

《私たちが最初に三浦春馬さんの出演作品を上映したのは2021年7月の「森の学校」からです。主人公の河合雅雄少年役を春馬さんが演じた作品です。ソフト化されず新潟でのシネマコンプレックス公開も無く各地のドリパス上映しかなかったのですが、旧制新潟高校卒業生だった河合雅雄さんが同年五月にお亡くなりになり、春馬さん追悼の思いを込めて7/17~上映、ちょうど春馬さん命日と重なったこともあり他府県からも大勢お客様がいらっしゃいました。以降は毎年3作品ほど春馬さん出演作品を上映してきました。

 また会報「月刊ウインド」で私が春馬さんの記憶について記した「なるほど、なるほど春馬くん」という連載を2022年7月号から2023年6月号まで掲載(これはネットショップでも買えます)し、この連載を読んでいた会員有志が集まり「Nはるるん会」を結成、彼女たちの希望作品を元に11/11(土)から11/17(金)まで《秋の春馬まつり2023》を開催します。地域の劇場と春馬さんファンとが協働して上映企画を組むのは稀有な例ではと思います。

 2021年から毎年11月特大号では春馬さん企画を特集し、2021年は春馬さんの故郷である土浦セントラルシネマズの寺内支配人のインタビューを、2022年は名古屋でやはり春馬さん作品を上映しているシネマスコーレの坪井副支配人(当時)のインタビューをそれぞれ掲載しました。》

 三浦さんの出身地にある「土浦セントラルシネマズ」は春馬ファンが集まる映画館として知られているが、新潟県あるいは近県の方々は、「シネ・ウインド」の「秋の春馬まつり2023」に足を運んでみてはどうだろうか。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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