背脂ファンが狂喜乱舞! つけ麺の概念をぶっ壊す「汁なしつけ麺」とは?
『大つけ麺博』に前代未聞のつけ麺が登場
人気ラーメン店が一堂に会するラーメンイベントが全国各地で行われているが、2009年の初開催以来、つけ麺だけのイベントとして人気を集めているのが『大つけ麺博 日本一決定戦!!』(会場:新宿大久保公園 特設会場 期間:開催中〜11月6日まで)だ。
期間中に店舗が4回入れ替わり合計で40種類のつけ麺を楽しめる『大つけ麺博』もいよいよラスト10店舗が出店中。その中で一際注目を集めているつけ麺がある。それが豚骨ラーメンの人気店『博多ラーメン でぶちゃん』(東京都新宿区高田馬場2-13-6)が提供する「汁なし背脂つけ麺」だ。つけ麺は言うまでもなく麺をスープ(つけダレ)につけて食べるもの。それなのに汁なしとはどういうことなのか。
「博多ラーメン屋の僕が普通につけ麺を作ってもつまらないじゃないですか。せっかくやるなら自分らしさを表現したいなと。自分らしさは「振り切っている」ことだと思っているので、つけ麺の概念をぶっ壊そうと考えました。今までにないつけ麺は何かと考えたら、つけ麺なのに汁がない『汁なしつけ麺』だと。それを成立させるのが背脂だと思ったのです」(「博多ラーメン でぶちゃん」店主 甲斐康太さん)
スープではなく背脂につける「汁なしつけ麺」
スープではなく脂につけて食べる、前代未聞の「汁なしつけ麺」。つけダレの器に入っているのはスープではなくて背脂。店主の甲斐さんは背脂ラーメンの老舗で修業した経験があるため、背脂の扱いには慣れている。背脂が溶けて液体になった部分を減らして固形分を残し、背脂でありながらしつこさのない「洗練されたジャンクさ」を表現した。
たっぷりの背脂の下には濃厚な醤油ダレとネギが沈めてあり、底から混ぜてつけダレならぬ「つけ脂」が完成する。麺は『新宿だるま製麺』による密度の高い麺で、しっかりと脂と絡み脂をまとう。脂の上に浮いた唐辛子がアクセントになって、最後まで飽きさせることがなく食べられる。
背脂の海に麺をどっぷりと浸す背徳感
脂の甘味とコク、タレの塩味によって麺を食べさせる設計は「油そば」に近いものがあり、つけ麺がラーメンの麺とスープを分けたものであるとするなら、この「汁なしつけ麺」は油そばの麺と油、タレを分けたものと言えるだろう。あるいはかつての『土佐っ子ラーメン』のつけ麺バージョンか。
脂ばかりでしつこさやクドさがあるのかと思いきや、意外にもスルスルと食べられてしまう不思議。そして背脂にどっぷりと麺を浸して食べる背徳感。味の変化用に煮干粉や辛味などの有料トッピングもあり、仕上げに割スープを入れると背脂ラーメンのような楽しみ方も出来る。
これまでのつけ麺にはなかった、脂に麺を浸す大胆な発想の「汁なしつけ麺」。イベントだけではなく店舗での提供も期待したいところだが、つけ麺日本一を投票で決めるこのイベントで上位入賞しなければ、メニュー化はせず封印するとのこと。果たしてこの問題作が40店舗の中で支持を受けるのか否か。どうしても食べたい人は11月6日までに新宿大久保公園へ急げ。
※写真は筆者によるものです。
<大つけ麺博 ホームページ>
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