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森保ジャパン初合流の吉田麻也。「どんな風に成長できるか。すごくワクワクしている」

田嶋コウスケ英国在住ライター・翻訳家
(写真:ロイター/アフロ)

第8節を終えたプレミアリーグは、国際マッチウィークのため一旦中断となった。森保一監督率いる日本代表に選ばれた吉田麻也も、10月7日に行われたサウサンプトン対チェルシー戦で先発フル出場を果たした後、日本に向けて機上の人となった。

プレミアリーグが開幕した8月10日からこれまで、吉田は出場機会の少なさに苦しんだ。しかし、サウサンプトンは7節まで1勝4敗2分の16位に低迷──。チェルシー戦でCBの先発メンバーを入れ替え、吉田は今季リーグ戦初となる先発出場を果たした。

吉田は、このタイミングで日本に向けて出発した。サウサンプトン再合流後、長距離移動や疲労を理由にふたたび先発メンバーから外れる可能性もあるが、それよりも試合を重ねてコンディションとマッチフィットネスを上げていくことを重視したいという。そのため、今回の代表合流も自分にとってプラスになると説明する。

「(自分は)いきなり試合に出て、パフォーマンスをパッと出せるタイプではない。コンスタントに試合を出て、徐々に、徐々に、パフォーマンスが上がってくるタイプだと思う。コンスタントに試合に数多く出ることが大事だなと思います。もちろん、日本に行って試合に出られる保証はないけど、呼ばれれば出られる可能性は広がるだろうし。

(代表合流前に)リーグ杯のエバートン戦とプレミアリーグのチェルシー戦の2試合に出場した。試合に続けて出場できたので、コンディションはだいぶよくなると思う。初めての連戦だし、身体はまだトップじゃないかと思いますけど、連戦をこなすと身体はだいぶ楽になる。また代表に帰って、出場する機会を与えてもらえれば、良いパフォーマンスを出せると思う。サウサンプトンに戻ってきても、パフォーマンスは良くなると思います」

チェルシー戦後の囲み取材で、吉田が特に力を込めていたのが「日本代表への思い」だった。

9月に行われた代表の強化試合では、海外主力組の招集が見送られた。吉田もサウサンプトンで調整を続け、今回の代表戦で森保新体制に初めて合流することになった。新監督と新しいチームメート。前回、代表メンバーから外れたことで、日本代表への思いはいっそう強まったという。

「新しい監督、スタッフ、新しいチームメートになるので、正直すごくワクワクしている。新しい監督の下で、自分がどんな風に成長できるだろうという気持ちもある。若い選手からどういう刺激をもらえるか。また、どういう刺激を与えられるのかというモチベーションも非常に高い。前回、代表に行かなかったことで、ものすごいチャージされた。自分でも思った以上にチャージされている気がします。みんなから『この時期代表に行くのは大変だろう』と言われますが、早く行きたいですね」

その日本代表では、主将を務めてきた長谷部誠が代表を引退した。今年8月に30歳になった吉田は、今まで以上にチームを引っ張っていく立場になる。次期キャプテン就任との報道もあるが、代表内でやるべきことは変わらないという。

「代表からメンバーの名簿をもらうんですけど、それを見たら、やっぱり僕と(長友)佑都君が飛び抜けてキャリアがある。嫌でもなんでも、チームを引っ張っていかないとけない立場だと思います。

別にキャプテンだろうが、そうでなかろうが、キャリア的にもポジション的にも、チームを引っ張っていく立場であるのは間違いない。やるべきことはいつもと変わらない。サウサンプトンでも変わらないし、代表でも変わらない」

9月に行われた日本対コスタリカ(3−0で勝利)の強化試合も、遠く離れたイングランドでチェックしていたという吉田。中島翔哉や南野拓実、堂安 律、伊東純也ら新しい力が台頭した代表に刺激を受けながら、目標とするアジアカップ制覇に向けて気を引き締めた。

「(9月の代表戦は)アピールしたいという気持ちが前面に出ていて、良かったんじゃないかなと。次のシリーズが楽しみになる戦いを見せてくれたんじゃないかと思います。同時に、たった1試合だけなので、評価するにはあまりに早すぎる。

次の目標はアジアカップをとることなので、そこに向けて。フェアな競争の中で、新しい代表をまた作れたらいいなと思います」

英国在住ライター・翻訳家

1976年生まれ。埼玉県さいたま市出身。中央大学卒。2001年より英国ロンドン在住。香川真司のマンチェスター・ユナイテッド移籍にあわせ、2012〜14年までは英国マンチェスター在住。ワールドサッカーダイジェスト(本誌)やスポーツナビ、Number、Goal.com、AERAdot. などでサッカーを中心に執筆と翻訳に精を出す。

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