コロナ帰省、コロナ疎開、東京脱出:あなたは良くてもみんなが困る
■コロナ帰省、コロナ疎開、東京脱出?
コロナ帰省、コロナ疎開が、話題になっています。事情は様々です。
こんな事情と気持ちの人々も報道されています。
18歳の学生が、学校も休校になったので、安心できる実家に帰省。
47歳の男性が、法事で実家に帰省。
19歳の学生が、生活していた寮が閉鎖で帰省。
それぞれの事情があります。ただの自分勝手な遊びとは違います。
■ウイルス感染に心は関係ない
しかし、それでも、
ウイルス感染に心は関係ありません。
「帰りたくて帰ったわけじゃない」人も、「帰りたくて帰った」人も、「遊びに行こう」と思った人も、みんな同じ行動を取れば感染の危険性は同じように高まります。
実家が地方だろうと、歳が若かろうと、関係ありません。誰もが、首相や知事の要請には従うべきであり、慌てて帰省する行動は戒められていました。
たとえば新潟県知事は、次のように要請しています。
- 緊急事態が宣言された区域への不要不急の往来は、厳に控えていただきますようお願いいたします。
- (来県者受け入れ予定のある方々は)改めてその必要性をご検討いただき、不要不急の来県を控えていただきますようお願いいたします。
- やむを得ず、緊急事態が宣言された区域から本県に帰省や来県される方で、一定期間滞在される方におかれては、2週間程度、不要不急の外出を控えていただきますようお願いいたします。
もちろん、不安な気持ちには共感できます。未成年の子供ならなおさらです。でも、気持ちに共感はできても、行動は支持できません(カウンセリングの土台「共感」とは:自殺も不登校も引きこもりもDVも、そんなの認められないと思う人へ:Y!有料)。
政府や各都道府県は「不要不急の帰省や旅行」など県境を越えた移動の自粛を強く呼びかけています。
■不安な人々、困っている人々に支援を:みんなが一つのチームとして
けれども、個人を責めるだけでは問題は解決しません。困っている人、不安を抱える人を支援しなくてはななりません。
たとえば、寮が閉鎖されて帰省するのは、仕方がないでしょう。ホテル暮らしをしろとも言えません。記事にあるように、帰省を「余儀なくされた」わけです。
また実家の親が倒れて危篤状態でも実家に帰省するなとは言いません。これは、不要不急ではなく、必要火急の帰省です。
このように移動しなくてはならない人がいるのですから、そうではない人の自制力が求められています。
これは、統計学的な問題です。あなた個人が感染するかどうかではなく、みんなで協力して、社会全体で人の移動を減らしていくことで、新型コロナウイルス感染者の爆発的増加、オーバーシュートを防ぐのです。
心配だから、不要不急とはいえ用事があるからといってあなたが移動することは、あなたにとっては良いことかもしれません。
しかし、多くの人がそのような移動を始めることで、各都市や日本全体の感染爆発と医療崩壊の可能性を高くしてしまうのです。
記事に登場する学生の場合は、いずれにせよ本来なら大学からの支援が欲しかったケースです。けれども大学もコロナ対応で忙殺されています。正直言って、余裕がない状況かもしれません。
しかし、ここが私たちみんなの力の見せ所です。
そして、コロナ帰省やコロナ疎開を控えましょうと言っても、緊急事態宣言の対象になっている東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の人々を避けるのは、論外です。
合理的な感染予防はとても大切ですが、偏見差別は混乱を生むだけです。感染者が出たからといって、ある地域やある会社やある学校などを嫌うのは、非合理的です。
災害発生時も、原発事故発生時も、感染症発生時も、私たちは危険を避けますが、そんな時こそ日本全体が一つのチームです。
学校が、家庭が、地域が、企業が、行政が、協力し合って、コロナとの戦いに勝利していきましょう。