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MICEやコンベンション業界の現状と今後を考える

鈴木崇弘政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー
コロナ禍を経たMICEやコンベンションの将来は?(写真:cap10hk/イメージマート)

 筆者が所属する城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科は、東京都が実施する「大学等と連携した観光経営人材育成事業」の一環で、東京都の支援を受け「観光経営人材育成講座」の第2期を10月10日および11日に開催した(注1)(注2)。

 今期の公開講座のテーマは、本年度の全体テーマ「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の観光と外国人材活用の方向性」の下に、「今後の観光産業を支える一手と注目されているMICEビジネスをテーマに、日本のMICEにおける課題や今後の展開について学び、外国人材の役割や活用について、また人材育成において必要なことを紹介します」であった。

 今期も、前回同様に、オンラインによるセミナーの形式で開催した。この講座の受講対象のほとんどは、前期から継続されている主に観光業に関わる方だった。

 今回の第2期のプログラムは、次のようであった。

講座プログラム(第1期は第1回から第6回で、今期はその続き)

〇10/10(土)

・第7回 MICEの学術研究の紹介について 

 インバウンド観光を支える一手として注目をされているMICEビジネスについて紹介すると共に、これまでのMICEにおける学術研究を紹介する。その中で、日本のMICE研究の現状や課題について紹介する。

 城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科准教授 岩本英和氏 

城西国際大学准教授 岩本英和氏 (写真提供:城西国際大学。以下、同じ)
城西国際大学准教授 岩本英和氏 (写真提供:城西国際大学。以下、同じ)

・第8回 インバウンド振興策としてのMICE誘致 

 インバウンド振興策としてのMICE誘致戦略についてこれまでの取り組みと今後の課題について考察する。インバウンド観光を促進するためにMICE導入の必要性について触れる。

 日本政府観光局(JNTO)MICEプロモーション部長 川崎悦子 氏 

日本政府観光局(JNTO)MICEプロモーション部長 川崎悦子氏
日本政府観光局(JNTO)MICEプロモーション部長 川崎悦子氏

・第9回 MICE開催における組織マネジメント 

 30以上の国内外の小規模国際会議から中規模国際会議を主催者やプロデューサーとして活躍した経験に基づいて、実践的な人材育成と組織マネジメントについて報告する。国際会議を主催するために必要な知見を詳しく紹介し、今後の人材育成に対して必要なことを解説する。

 東京都立産業技術大学院大学教授 松尾徳朗氏 

東京都立産業技術大学院大学教授 松尾徳朗氏
東京都立産業技術大学院大学教授 松尾徳朗氏

〇10/11(日)

・第10回 都市のホスピタリティとエリアマネジメント 

 都市再生と中心市街活性化の一環として世界的に推進されているホスピタリティ産業とエリアマネジメントについて紹介し、観光まちづくりの視点から今後の在り方について展望する。

 城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科准教授 黒澤武邦氏 

城西国際大学准教授 黒澤武邦氏
城西国際大学准教授 黒澤武邦氏

・第11回 MICE誘致の現状と人材育成について 

 近年、国際的なMICE誘致競争が激化しているため、MICEビジネスの従事者・業務経験者の立場から、外国人材の役割や活用について解説を行い、外国人材との連携のあり方を展望する。

 MPI Japan前会長/(公財)ちば国際コンベンションビューロー部長代理 安田弓氏 

MPI Japan前会長/(公財)ちば国際コンベンションビューロー部長代理 安田弓氏
MPI Japan前会長/(公財)ちば国際コンベンションビューロー部長代理 安田弓氏

・第12回 MICE誘致・実施支援におけるDMOの役割 

 国際会議参加者は長期滞在の傾向が高く利用施設も多岐にわたるため経済波及効果も高い。MICE誘致におけるDMOの立場からMICE戦略について考察する。

 DMO六本木事務局長 坂本和也氏 

DMO六本木事務局長 坂本和也氏
DMO六本木事務局長 坂本和也氏

 

 本記事では、講師の個々の講義内容については説明しないが、筆者が聞いた講義の中から、重要なポイントだと考えられるコンテンツについて、概括的に説明し、観光業の発展において重要なキー要素になるであろうMICEやコンベンション業界の現状および今後について考える情報提供をしたい。なお、以下のポイントは、飽くまで筆者の視点および理解に基づくものであることをご理解いただきたい。

〇コンベンションやMICEに関する定義や歴史等について

・コンベンション産業という言葉は、20世紀後半から使用されるようになったもので、その語源はそれほど古くない。

・その定義はさまざまである。イベントやコンベンションとは、一定の目的・動機を持って、人が非日常的に集まり、フェイス・ツー・フェイスでコミュニケーションを行う行為であって、主催者により計画的に組織されるもの(田部井正次郎氏)。

・MICEは、Meeting[企業系会議・研修・セミナー等]、Incentive[企業の報奨・研修旅行等]、 Convention[大会、学会、国際会議等]、Exhibition & Trade Show & Event[展示会、見本市、イベント等]の略語である。

・日本のコンベンションは、1950年代以降、1964年の東京オリンピックで国際会議時代の幕開け(第1次国際会議ブーム)、1981年は第2次国際会議ブーム。81年の神戸ポートピアで自治体にも刺激。その後地方都市でも国際的なコンベンション開催。1980年代後半から本格的コンベンション時代。その後、日本でも国際会議の開催が増えてきている。

・MICE研究は、1980年代から。経済効果および開催地選定基準(参加者動機)が研究の中心分野。

〇インバウンド関連情報について

・訪日外客数の推移。2019年3,188万人(過去最高の訪日者数)。他方、コロナ禍の影響で2020年8月の訪日外客数は前年同月比99.7%減(8,700人)。11ケ月連続で訪日外客数が前年同月を下回る。

・訪日外国人旅行消費額:4兆8,113億円(自動車、化学製品の輸出額に続く規模)。

 訪日外国人(一般客)の一人当たり旅行支出額:15万8,458円(定住人口一人当たり年間消費額[125万円 出所:総務省統計局家計調査]の8分の1)。

・インバウンド観光の課題としては、「日本は、他のアジア諸国と比べて、欧米豪の市場を取り込めていない」、「訪日外国人旅行消費特性は、出身国で異なること(たとえば、中国は「買物代」が大きな割合を占め、ベトナムは買物代と宿泊代が拮抗しその2つが大きな割合を占め、オーストラリアやスペインは宿泊費が大きな割合を占める)」、「脱ゴールデンルート」「シェアリングエコノミーの普及」「人材育成、外国人材の活用」「新しい組織体制の構築(日本版DMO[Destination Marketing/Management Organization])」、「持続可能性(オーバーツーリズム、コロナ禍対策、外国人旅行者への嫌悪感、インバウンド観光浸透の遅滞など)」などが挙げられる。

〇コンベンションやMICEの波及効果等について

・MICEは、経済波及効果が大きく、季節に関わらず実施可能、未来の観光客誘致につながる、情報共有・専門性向上、生活の質の向上、景気動向による左右が少ない、開催地のイメージ向上・認知度の向上などが見込まれる。

・日本国内では、コンベンションは毎年数千件開催、地方都市開催の時代。

・コンベンション・国際会議の成功と地域の成長は相互補完関係にある。地域の経済波及効果は甚大。

・イベント・コンベンションの開催効果は、「経済的効果」「文化・社会的効果」「都市の活性化(地域振興)」など多面的である。

・インバウンド需要拡大に対するMICEの意義として、大きく分けると次の3つが考えられる。それらを通じて、全体として「レガシーの創出」をしていくことに貢献するのである。その3つとは、「高い経済効果(長い滞在期間、高い単価。滞在地での多岐にわたる経済波及効果)」、「潜在需要の発掘(地方開催の可能性、参加者のリピート効果、潜在需要の高い欧米への大きな影響力)」、「コンテンツ開発(ユニークベニューなどの新たな観光魅力創出、インフラ向上、地域におけるステークホルダー連携構築)」である。

・コンベンションには多くのステークホルダーが存在。コンベンション主催者、会議参加者、行政、コンベンションビューロー、施設、地域、宿泊施設等。また国際会議は誘致から開催まで長い時間がかかる。様々な準備。施設の選定、旅行業界、交通業界、飲食業・土産関連業界、地域PCO(Professional Congress Organizer)、印刷業界、行政、コンベンションビューローなどの多面性や様々な要素・組織等が関わる。

・国際会議の部品は様々なもの(コンベンション施設、宿泊施設、レセプション、観光資源、印刷・製本、アトラクション、Wi-Fi、食事、お土産、通訳などなど)がある。

 

〇MICEとその他の関連項目との相違点等について

・一般観光とMICEには、「目的地訪問理由」「決め手となる要因」「意思決定者」「サービス提供者」「マーケティングアプローチ」で相違点がある。

・MICEでは、コンテンツ開発が重要。その一つとして、「ユニークベニューの開発・活用促進」が大切。ユニークベニューとは、通常イベント会場として利用できない場所(例えば、博物館、社寺仏閣等の文化財や公道など)を、ユニークなベニュー(会場)として、国際会議などのイベント等で特別に開放する施設のことである。

・MICEによる外国人旅行者の増加の中受入れ環境やインフラの整備および国際理解の向上の必要性。たとえば、言語・宗教・食習慣・性的相違(LGBTQ)・支払い手段・通信手段(SNS)・諸処の対応(高齢者や障害者など)等への理解や配慮・対処などが必要である。

・国内旅行の1人当たりの消費額37,355円(日帰り旅行:17,334円)、訪日外国人の一般的旅行消費額(インバウンド)は約15.8万円、MICEによる訪日外国人1人当たり消費額は約26万円(出典:旅行・観光消費動向調査2019&観光庁「令和元年MICE消費額等調査事業報告書」)。

・MICEビジネスと観光の違い、民間企業がMICEに関わる場合に注意すべき事がある。MICEの特徴は、「競争と協力」で、自社の強みと弱みは把握し、弱みを克服、ビジネスチャンスの拡大。不測の事態への対応参加者の期待を向上させる仕組みも必要。

〇MICEやコンベンションにおける運営ノウハウ等について

・国際会議誘致活動にはいくつかのキーポイントがある。「なぜ」や「どうやって」等の視点から場所、施設、会議の質、ネットワーキング等に関する質問などに回答できることが大切。また(主催者の中のキーになる)対象者の見極めやその特性、コンベンションリテラシーなどの見極めも必要。

・国際会議ビジネスで必要なこと:プロモーション、コミュニケーション、臨機応変、度胸・厚かましさ、顧客の気持ちの理解・把握(思い出し)。

・MICE成功の極意:発言力の大きな人を運営のトップに置かない。若手を中心に、経験者を入れて、全体がうまく運営されるようにすることが大切。

・「おもてなし」のワナ:サービスを一方的に提供するのではなく、対象者の嗜好や行動の傾向の分析・理解に基づき、観光振興計画を立案する必要性。

・外国人観光客の活動ランキング:「日本食の食事」「買い物」「街歩き」「自然・景勝地観光」「日本酒飲酒」「温泉入浴」「美術館・博物館」「旅館宿泊」「歴史・伝統文化体験」「日常生活文化体験」「テーマバーク」「ポップカルチャー」「四季の体感」。

・キーワード:観光「楽しませる」「驚かせる」「休ませる」 MICE「慣れさせる」「集わせる」「感動させる」

〇MICEやコンベンションにおける人材について

・MICE人材に必要なスキルや能力:スペシャリストでありジェネラリスト、動向を読む力と振り回されない判断力、地域や対象組織の実態や関係者(ステークホルダー)を知る能力、インセンティブを創造できる力、会計・経理・経営の知識と意思決定力、コスト管理力、生産管理力、マーケティング能力、プレゼンの高いスキル、企画力、再構成能力、危機管理力、リスク分析力、強い臨機応変力、人材育成・向上力、人間的魅了など。

 これまでは、英語での協議・交渉・書面作成などが可能な能力、対象市場の文化を理解し、「同じ言葉」を話す人と思われる人材、組織の中で自らの立ち位置を獲得できる人材が必要であったが、今後は、担当地域の文化・特色の理解、その市場の嗜好に合わせてアピールできる能力、代替案で回答できる能力、デジタルネイティブ、SNSで自己アピールできる力、自己啓発・常に学び続ける意識の人材、長期間1つの組織で和を育み、地域を理解し、地域社会との協力し、誘致が行える能力のある人材が必要になるであろう。

 MICE人材は、このように高い能力が必要で、院以上の学齢・資格も必要と考えられるが、現状ではそれに応じた報酬などにはなっていない。

・MICE誘致における外国人材の活用においては、「必要な資質は、欧米の主催者と協議ができ、ビジネス英語で書ける人」や「日本チームの一員として日本人の伝統的慣習や文化を理解し尊重する姿勢を持てる人」であり、そして、日本の魅力として「和」「調和」が重要だが、それを外国人材にも育てることが重要である。さらに、「日本のMICE業界の特質を理解、そこで国際市場からの案件を遂行させるためのノウハウの習得」をさせる。なお、外国人を1名だけ採用してもうまくいかない。帰国子女等の国際経験あるメンター役を果たせる人が必要である。

・外国人スタッフ雇用には「MICE専門家としての育成の場合」「特定部分技術者として活用の場合」の2類型。日本では後者が多いが、その場合「望ましい人材」、「想定業務範囲」、「将来像」が異なる。またそのような外国人スタッフにとり、職場として魅力的か?組織の一員としての帰属意識が育つか?日本での経験が他国で活かせるかなどの問題・課題がある。

〇まち・都市と観光について

・まちや都市の再生におけるキーワードや視点:「リブ(居住地)」に対する「ライブ(高付加価値の生の体験)」、組織化(常勤スタッフのいる組織の存在)、人材登用、資金調達。

・そのための手法としてのBID(Business Improvement District)

 「BID(Business Improvement District)とは法律で定められた特別区制度の一種で、地域内の地権者に課される共同負担金(行政が税徴収と同様に徴収する)を原資とし、地域内の不動産価値を高めるために必要なサービス事業を行う組織を指す。アメリカでは1000以上のBIDが存在し、この10年間でイギリス、ドイツでも制度が導入され、地区経営を支える制度として世界的に広がってきた。」(出典:「大阪市で日本初の条例成立 市街地活性化手法「BID」とは何か」 木下斉 事業構想 2014年10月号)

BIDは日本でもいくつかの地域で導入されてきているが、資金が自立的に回らず、当初行政等が出したものがショートすると回らなくなっている。

・DMO(Destination Management Organization)の役割:You can find out pieces for your Puzzle! それが地域の活性化につながる。その際のポイントは、「街を見る目を磨く」、「街の主役は人」、「自分のいいところは他人が気付く」、「街の活性化には協同・協創が重要」、「エリアとしての魅力発信」などである。それを通して、MICEの誘致・実施支援におけるDMOの役割に繋がる。

・DMO/ Destination Management Organization

 「DMOとは、観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと。Destination Management Organization(デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)の頭文字の略。DMCはDestination Management Company(デスティネーション・マネージメント・カンパニー)の略。

・観光観光庁が規定した日本版DMOは、次の通り。

 『地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人』」出典:JTB総合研究所

〇MICE等の今後の方向性やその点における日本について

・MICEアンバサダーアンケート(2020年5月22日~6月2日)から、コロナ禍において、「新型コロナウイルスの影響で、国際会議の誘致・開催状況における変更を受けた者が7割以上」、「国際会議の誘致・開催で、「オンラインでの国際会議のノウハウ」「コロナ禍における、安全な会議の開催方法」「今後の国際会議のリスクマネジメント」などについての情報が必要を挙げている」こと、「新型コロナウイルスの影響で、全体的な傾向として、今後の国際会議の在り方に変化が生じるという回答は、98.2%に及んだ」ことなどが判明した。その変化としては、「オンライン会議やハイブリッド会議のニーズの増加」「安心・安全な会議運営(防疫対策)」「小規模化、エリア別開催への転換」が挙げられており、その結果「主催者の経費負担の増加、国際間競争の激化」が予想される。

・同上のアンケートによれば、今後の国際MICEマーケティング戦略として、「見通し:当面Withコロナ時代の継続、コロナ収束に数年。ビジネス・就労者・留学生等から渡航再開。MICEなど大型イベント等は、当面オンラインか延期・様子見」、「回復シナリオ:日本国内の感染収束、近隣国、FITやリピータ、チャレンジャー層のいる欧米などからまずは再開」、「訴求ポイント:安全な受け入れ態勢および歓迎機運、開催支援、強くアピールする魅力、オンライン化の進展に対する対応」などが考えられる。

・コンベンションにおけるこれまでの多くのリスクマネジメントの範囲は主催者や参加者の「健康と安全」が焦点。他方、新型コロナウイルスによるMICEへの影響としては、持続的なイベント開催のために、「安全・安心」を徹底化できる体制の構築が急務である。

・調査によると、日本のコンベンションの強みは「治安」「清潔さ」など。他方、弱みは「特別食への対応」「英語力・語学面」など。

・日本における今後の課題として、「オーバーツーリズムや観光人材不足への対応」、「オンライン会議では獲得できない、対面だからこそ価値の再認識」、「リスク後にいち早く回復できる体制の構築の検討」などが重要である。

・観光は、「地域経済の活性化、雇用機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたりその発展に寄与するとともに、健康の増進、潤いのある豊かな生活環境の創造等を通じて国民生活の安定向上に貢献するものであることに加え、国民相互理解を増進する」(観光立国推進基本法・前文より)。そのうち、インバウンドは、「外国人の訪日旅行を促進し、各地を訪問してもらうこと」 これらのメリットは、「人口減少社会における成長戦略。日本経済の起爆剤」、「交流人口増加による地域活性化。都市のみならず地方・地域にも影響」、「国際相互理解の増進と関係強化。外の目線で地域や観光資源をみてもらう」、「豊かで活力のある生活環境の創造」などである。

 このように、筆者も含めた受講生は、今回の公開講座(第2期)を通じて、MICEやコンベンションなどの業界もコロナ禍によって、現在は非常に厳しい状況にあることや、他方、MICEやコンベンションは、将来性や潜在性が高く、地域や多くのステークホルダーにも関わり波及効果が高いことについて学んだ。さらに、MICEやコンベンションの実現には長い時間と準備が必要であるので、現状は厳しいが、そういう状況においてだからこそ、「安全・安心」も踏まえて、今後に向けて今こそ準備をしたり、情報発信をしたりすることが肝要であることも理解できた。

 そこで、それらの点を踏まえて、本公開講座は今後も、それらの業界の回復およびその後の大きな成長に貢献できるようにしていきたいと考えている。

(注1)今回の第2期は、先に開催した第1期(9月12日および13日開催)に続くものであった。第1期については、拙記事「コロナ禍は危機。だが、日本の観光業が飛躍できる好機になりうる。(Yahoo!ニュース、2020年9月17日)」を参照のこと。

(注2)「観光経営人材育成講座」の特設HPを開設した。同HPは、インバウンド観光における情報のワンストップステーションを目指しているので、活用していただければ幸いです。

政策研究アーティスト、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。新医療領域実装研究会理事等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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