日常生活に溶け込むように

朝ドラこと連続テレビ小説「ブギウギ」（NHK)がいよいよ最終週。

ブギの女王・笠置シヅ子をモデルにした福来スズ子（趣里）が歌と踊りで日本を明るくする物語。最終週では、スズ子も年をとり、前のようなパフォーマンスができなくなってきている。だが暮れの「オールスター男女歌合戦」ではすばらしいパフォーマンスで皆を沸かせた。スズ子のこれからはどうなる。最終回まで見逃せない。

さて。「ブギウギ」では現在、スズ子の育ての母・ツヤ（水川あさみ）と育ての父・梅吉（柳葉敏郎）と、未入籍ではあったが、娘・愛子の父・愛助（水上恒司）の写真が飾られて、おりにつけスズ子がお祈りしている。そこで気になるのは、仏壇はないのだろうかということだ。SNSでは仏壇がない、と気にする声もある。

他の朝ドラはどうだろうか。たとえば「らんまん」では高知の実家には立派な仏壇があったが、万太郎とスエ子の住む長屋にはなく、供養台のみ。「舞いあがれ！」ではヒロインの実家（母の寝室）に仏壇があった。再放送中の「まんぷく」でも仏壇がある。

「カムカムエヴリバディ」では戦時中でも、位牌などを置いた簡易な供養台が作ってあった。

仏壇があったりなかったり、ドラマによって違うのだが、宗派によって作法も違うので略しているのではないかという見方もある。

「ブギウギ」はなぜ仏壇がないのだろう。制作統括の福岡利武チーフプロデューサーに聞いた。

「場合によっては確かにいろんな宗派の方もいらっしゃるからという配慮もあるかなと思います。『ブギウギ』としては、洋風の家を建てたからというのもあります。厳密にいうと、仏壇を置くためには仏間が必要になりますから、和室のセットを作って出すよりも、スズ子の場合、もっと近くにみんなを感じたいだろうと、写真を飾りたいと思いました。仏壇を作るとそこに写真が置けません。心情的にはそうですし、見た目的にも、テレビドラマでは、故人を偲ぶときは写真に向かって語りかけたいという思いもあって、日常生活に溶け込むように写真を置きました」