史上初の30本塁打、60盗塁にリーチをかけるアクーニャJr。大谷も本塁打と盗塁で前人未到の記録に挑戦
MLB史上初となるシーズン30本塁打、60盗塁の記録に邁進中のロナルド・アクーニャ・ジュニア(アトランタ・ブレーブス)が、8月28日に行われたコロラド・ロッキーズ戦で5打数4安打5打点2盗塁1本塁打と大活躍。今季29号本塁打を放ち、シーズン30本塁打に王手をかけただけでなく、今季60、61盗塁を記録して、盗塁数では60の大台に達した。
30本塁打以上での最多盗塁を記録したのは、1990年のバリー・ボンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)で33本塁打、52盗塁を記録。この頃のボンズは筋肉増強剤を接種する前であり、パワーとスピードを兼ね備えた万能選手として、90年から93年の4年間で3度のMVPを獲得した。
現役選手だと、2012年にマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)が30本塁打、49盗塁を記録したのが最高。
逆に60盗塁以上での最多本塁打は、61盗塁、29本塁打のアクーニャが最高。アクーニャ以外だと、通算1406盗塁のMLB記録を持つリッキー・ヘンダーソンが1986年(ニューヨーク・ヤンキース所属、87盗塁、28本塁打)と1990年(オークランド・アスレチックス所属、65盗塁、28本塁打)の2回記録した28本塁打がトップだった。
1990年はナショナル・リーグでボンズが33本塁打、52盗塁、アメリカ・リーグではヘンダーソンが28本塁打、65盗塁と、両リーグでスーパースターがパワーとスピードでファンを魅了。
今季も90年と同じように、両リーグでスーパースターたちが信じられないようなパフォーマンスを披露している。
前人未到の記録に挑んでいるのは、ナショナル・リーグのアクーニャJr.だけではなく、アメリカン・リーグの大谷翔平にも本塁打と盗塁で史上初の記録達成のチャンスが残されている。
大谷が挑む記録は50本塁打、25盗塁。
50本塁打以上の最多盗塁数は、ウィリー・メイズ(1955年、ニューヨーク・ジャイアンツ)とアレックス・ロドリゲス(2007年、ヤンキース)が記録した24盗塁。55年のメイズは51本塁打、07年のA-ロッドは54本塁打を記録した。
現在、44本塁打、19盗塁の大谷がこのペースを続けると、今季終了時には54本塁打、23盗塁となって、25盗塁には到達しない。
大谷は本気で狙えばシーズン50盗塁も可能なスピードと走塁センスはあるが、ケガのリスクや体力温存などを考慮して、不必要な盗塁は狙わない。
7月は1盗塁だったが、8月は7盗塁と急増しており、9月も8月同様に積極的に盗塁を狙っていけば、25盗塁は軽くクリアできる。
前人未到の50本塁打、25盗塁をクリアできるかどうかは、大谷の気持ち次第だ。