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台風1号で記録的な暴風 早まる季節の進み、大型連休は雨の日多い?

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
大型で強い台風1号が小笠原諸島を直撃した(ウェザーマップ作画)

 今年最初の接近台風となった台風1号、小笠原諸島の父島では午前9時前に、最大瞬間風速46.5メートルを観測しました。4月としては最大の暴風です。台風の接近に伴い、小笠原村では避難所が設けられ、村営バスは終日運休となりました。また、村内では停電している所もあるとのことです。

18年ぶりに早い接近台風

 例年、台風が日本に接近し始めるのは6月頃からです。今年は2004年以来、18年ぶりに台風の接近が早まりました。2004年と言えば、上陸した台風が過去最多の10個を数え、甚大な被害が相次いだ年です。最近は、海がいつまでも暖かいため、台風シーズンが長引いているように感じています。今年は台風シーズンが早いので、台風の影響が大きくなるかもしれず、気がかりです。

来週半ばから再び、気温上昇

 台風の北上には夏の高気圧も関わっています。今月は全国的に気温が高く、11日から13日まで三日続けて、最高気温が30度以上の真夏日がありました。その後、いったんは気温が下がり、東京などでは冷たい雨となりましたが、来週20日(水)頃から再び、気温が高くなる見通しです。

【地上気圧予測図】この先1か月間の平均地上気圧を示した図(気象庁ホームページより)
【地上気圧予測図】この先1か月間の平均地上気圧を示した図(気象庁ホームページより)

大型連休は雨の日多い?

 季節の進みが早い影響は暑さだけに留まりません。最新の1か月予報によると、今月下旬から本州付近に前線が停滞しやすくなり、西日本から関東地方にかけての地域では平年と比べ降水量が多くなる可能性があります。

向こう1か月(4/16~5/15)の降水量予想と天気の要因(筆者作画)
向こう1か月(4/16~5/15)の降水量予想と天気の要因(筆者作画)

 今年の大型連休はくもりや雨の日が多く、梅雨を先取りしたようなぐずついた天気となるかもしれません。

 また、沖縄の梅雨入り平年日は5月10日頃、関東甲信地方は6月7日頃です。今年は雨の季節が早めにやってきそうです。

【参考資料】

気象庁:全般季節予報支援資料(1か月予報)、2022年4月14日

小笠原村役場ホームページ:台風1号関連のお知らせ

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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