【佐賀市】今年6月オープン!街中に温かさと懐かしさを灯すおにぎり屋さん。駄菓子と並ぶ土鍋ご飯の魅力。
“おにぎり”といえば…朝ごはんやお昼ご飯にもぴったりな、日本人の定番メニュー。筆者にとっては特に、忙しいときの時短飯!ラップで包み、形も整えず頬張ることも多々。先日、そんな“手軽につまめるご飯”からちょっとイメージが変わるおにぎりと出会えたのでご紹介します。
佐賀市城内、本丸通りの「栄城橋」交差点に面した「暮らしのとなり商店」。専用駐車場はないので、近くのお店や施設を利用した際に立ち寄るのが良いかも。筆者もお濠周辺を散歩した後に、ふらっと行ってみました。
今年6月にオープンして3ヶ月。中はコンパクトな造りですが、カウンター席もあります。ショーケースの中は既に数個あるのみでしたが、好みの具を伝えると、その場で握ってくださいました。
座って待つ時間、目に前に広がるのは、まるでお家にお邪魔しているかのような景色。コンロには、店主さんも同じ種類を使っているという土鍋や片手鍋。洗練されたまとまりある空間ながら、温かな家庭の雰囲気も感じます。
おにぎりは「高菜」と「明太子」(各250円)をお願いしました。200円以上のおにぎりを2つ以上買うと、150円でお味噌汁を提供してもらえます(通常は200円)。
ほっとする香りの出汁は、いりこ、昆布、干しシイタケを使用。北島みそ醤油店(佐賀市)の味噌を使っており、優しく味わい深い…ホッとするおにぎりとの組み合わせ。
噛みしめて食べたい、シンプルなおにぎりの旨さ
いざ、ちゃんとおにぎりを作ろうと思うと「形を作らなくては!」と固めるように握っていましたが、ここのおにぎりはふんわり。土鍋でふっくらと炊かれたお米の食感がしっかりと残り、それでいて程よく水分を含んでいるので、お米がふんわりと身を寄せ合い、自然なおにぎりが形成されています。初摘みの佐賀海苔にもこだわりあり。
そして訪れたこの日は、十五夜(9月17日)。なんと先着で用意されていたお月見団子までいただきました。生活の中でちょっとした楽しみをつくったり、気軽に、安心して寄れる場所として親しんでもらいたいという店主さん。行事やイベントに合わせたお楽しみ事もちょこちょこ用意されています。こうした心遣いも嬉しくて、美味しい♪
そして、「駄菓子屋さん」としての看板も持つお店の一角には、昔ながらの光景を思い出す駄菓子コーナーがあります。店主の西岡さんは小さい頃、駄菓子屋さんが大好きだったそうで、駄菓子屋を開くのが密かな夢でした。そんな夢を抱えオープンしたこちらのお店…今では放課後、立ち寄るのが日課になっている子どもも多いようで、いつしか減りつつあった、放課後の子どもの居場所としても馴染んでいるようです。
こうして駄菓子屋さんという昔からの夢、そして自身も愛用している土鍋を使って炊いたご飯で作るおにぎり、同じく出汁からこだわったお味噌汁の提供…と繋がっていき、1つのお店として出来上がりました。
じっくりと一粒一粒を味わうように頂くおにぎりは、素朴だけれどどこか贅沢で、安心感があります。いつしか時短飯として位置付けていたおにぎり、炊き方や握り方、食べ方でこんなに味わいが変わってくるとは!はっと気づかされたような、思い出したような、そんなひとときでした。
営業日は基本、火曜日と木曜日ですが、不定期でオープンする日もあります。お店の入口にある貼り紙のほか、ぜひInstagramでもチェックしてみてください。