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【薬剤師が教える】失敗しない!市販薬の選び方〜相談する際のポイント〜

鈴木伸悟薬剤師

セルフメディケーションが推進される中で、ドラッグストアなどで市販薬を自分で選んで購入されている方も多いでしょう。これからの生活に役立つ、市販薬の選び方を伝授します。

前回は、市販薬のパッケージやネーミングに惑わされず、正しく商品を選ぼうといった話をしました。

【薬剤師が教える】失敗しない!市販薬の選び方〜〇〇プレミアムの真相〜(鈴木伸悟) - エキスパート - Yahoo!ニュース

市販薬を選ぶ際は、症状に合った成分が入っていて、なるべく不用な成分が入っていない比較的シンプルな市販薬を選ぶことがポイントであることをわかっていただいたと思います。一般の方でも症状にあったものを選ぶことはできたとしても、選んではいけないものを選ばないようにすることは、とても難しいことです。特に持病がある方や高齢者などは、服用に注意すべき市販薬があることを覚えておきましょう。

薬剤師や医薬品登録販売者に相談しましょう

市販薬を取り扱うドラッグストアや薬局などには、薬剤師や医薬品登録販売者という市販薬の専門家がいます。自身で市販薬のパッケージの雰囲気やCMなどで判断して購入するのではなく、しっかりと薬剤師などに相談してから購入することをオススメします。ドラッグストアの売り場でよく見かける医薬品登録販売者は、都道府県で実施される試験に合格しており、頼りになります。

相談にも落とし穴が

ただし、薬剤師や医薬品登録販売者に相談したとしても、店によっては、お客様の症状や持病、車の運転の有無などの背景をしっかり確認せずに特定の商品を1点推しでお薦めしてくることも少なからずあります。そんな時は、これだけ商品がたくさんある中で、その商品だけを1点推しをする理由を聞いてみると良いでしょう。『新商品ですから、1番売れています、お店でお薦めしているから』などの理由を回答されたとしたら、市販薬は新商品が良いとは限りませんし、自分の症状や背景にあった成分を選ぶことが大切ですので注意が必要です。市販の風邪薬や痛み止め、咳止めなどに含まれる成分には、依存性があるものもありますし、そうしたことも知らずに服用している方も多いと思います。症状と共に不要な成分はなるべく避けたいと相談することも有効でしょう。この人は市販薬に少し知識がある人だなと販売者側も感じるはずです。

こんな薬剤師や医薬品登録販売者を頼りにしましょう

市販薬を選ぶ上では、症状、持病の有無、副作用のリスク、背景(車を運転する等)、予算(安い薬がよい等)、希望(粉薬が苦手等)などを総合的に考えて決めていく必要があります。症状だけでなく持病や運転の有無などは販売者側にはわからない情報なのでお客様に確認する必要があります。こうしたことを会話の中でしっかりと確認した上で、候補となる商品をいくつか紹介し、一緒に選んでくれるような販売者が信頼できると筆者は思っております。

今回の記事で、市販薬を見る目が少し変わったのではないでしょうか。ぜひお近くの薬局やドラッグストアなどで信頼できる薬剤師や医薬品登録販売者を見つけて、賢く市販薬を活用していきましょう。症状にあった市販薬を選ぶために、薬剤師や医薬品登録販売者からの質問には、ご協力をお願いします。

薬剤師

昭和薬科大学薬学部卒業。薬局に勤務する現役薬剤師。OTC医薬品(市販薬)の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、コラムの連載を複数持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』

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