【新型コロナ感染拡大】薬剤師が教える〜風邪の症状におすすめの市販薬〜
新型コロナウイルスが流行してきております。新型コロナや季節性インフルエンザなど、体調不良時に備え、検査キットや市販の解熱鎮痛薬など常備薬を準備している方もいらっしゃるでしょう。新型コロナの陽性者であっても、症状によっては、咳止めや解熱剤などの対症療法の市販薬を使っていただくことも一つの手です。お盆期間や年末年始などは医療機関もお休みとなるところもあるため、市販薬を備えておくことで役に立つこともあるでしょう。ただし、発熱や咳などの症状がひどい場合や息苦しさがある場合、軽症であっても高齢者や肥満の方、持病がある方など重症化リスクのある人などは、医療機関への受診を優先するようにしましょう。今回は、風邪の症状におすすめの市販薬を紹介していきます。
発熱や頭痛、のどの痛みには
まず発熱や頭痛、のどの痛みに対しては、解熱鎮痛成分であるアセトアミノフェン(商品例 カロナールAなど)またはイブプロフェン(商品例 リングルアイビーα200など)またはロキソプロフェン(商品例 ロキソニンSなど)が入った商品が主な選択肢です。
高熱であったり頭痛やのどの痛みがつらい場合は、抗炎症作用があるロキソプロフェンやイブプロフェンを、症状が軽度であれがアセトアミノフェンが候補となります。アセトアミノフェンは15歳未満の小児でも使用ができる商品(商品例 バファリンルナj(7歳以上から使用可)など)があり、高齢者や妊婦、胃が弱い人、喘息の既往歴がある人、インフルエンザの疑いがある人などにはアセトアミノフェンを優先的に選択すると良いでしょう。
また、のどの痛みには、抗炎症成分のトラネキサム酸を配合した口腔咽喉薬(商品例 ペラックT錠など)も候補となります。トラネキサム酸は、医療機関でもよく処方される成分です。
咳の症状には
咳に対しては、風邪などの咳に対応できる成分としてデキストロメトルファン(商品例 メジコンせき止め錠Proなど)を最初の候補としています。痰が特に気になる場合には、カルボシステイン(商品例 ムコダイン去たん錠Pro500など) が候補となります。漢方薬の麦門冬湯(商品例 ツムラ漢方麦門冬湯エキス顆粒など)は、体力が中等度以下の人の乾いた咳に良い選択肢となるでしょう。ただし、風邪などの急性の咳には、多くの鎮咳薬の効果が乏しいとされております。症状の悪化を防ぐためにも市販薬を数日使用しても症状が悪化する場合や長引く場合は、早めに受診するようにしましょう。
鼻水の症状には
鼻水がメインの風邪(咳は出ない場合)には、鎮咳成分を含まない風邪薬(商品例 パイロンPL顆粒proなど)が候補となります。花粉などアレルギー専用の鼻炎薬は、かぜによる鼻水には効能がありませんので注意してください。
成分が揃った総合かぜ薬は、便利だが注意も
発熱やのどの痛み、咳、鼻水など症状が複数ある場合には、複数の症状に効能効果がある総合かぜ薬を選ぶと便利でしょう。ただし、不要な成分を摂取することによる副作用(眠気、便秘、口渇など)のリスクがあることも覚えておきましょう。例えば、喉の痛みだけある方が、総合かぜ薬を使用すると、必要のない鼻水の成分で眠くなったりすることもあります。また総合かぜ薬によく含まれるエフェドリン類は、高血圧や糖尿病など持病がある方は注意しないといけません。
商品によっては併用も可能
例えば、発熱と咳の症状の場合に、解熱剤と咳止めをそれぞれ購入して併用し、熱が下がったら解熱剤を服用中止するなど症状に合わせて調整することも商品によっては可能です。ただし、併用ができるかなどは薬剤師や医薬品登録販売者に必ず相談するようにしてください。
終わりに
風邪の薬といえば、総合かぜ薬のイメージがある方が多いと思いますが、前述したように症状にピンポイントの市販薬を使用することも一手です。最近では、医療用と同成分同量ですぐれた効果が期待できる市販薬も増えてきております。市販薬の購入前には、パッケージに記載されている使用上の注意もしっかりと確認してから購入するようにしましょう。
市販薬選びに困ったときは、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して購入するようにしましょう。