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【薬剤師が教える】栄養ドリンクの選び方のコツ・エナジードリンクの注意点

鈴木伸悟薬剤師

セルフメディケーションが推進される中で、ドラッグストアなどで市販薬を自分で選んで購入されている方も多いでしょう。これからの生活に役立つ市販薬の選び方や知識を市販薬に精通した現役薬剤師が伝授します。

はじめに

仕事の追い込みや試験勉強などで疲れを一時的にしのぐため、あるいは、日ごろから疲れにくいようにと、滋養強壮や栄養補給を目的に栄養ドリンクなどを利用している方もいるでしょう。栄養ドリンクは、医薬品や医薬部外品に分類され、疲労回復などに有効な成分が配合され、商品ラベルに効能・効果の表記があり、服用量も定められています。疲れやだるさに「どの栄養ドリンクが一番効くのか?」という質問を来局者からいただきますが、商品ごとの明確な比較データなどはなく、効き目には個人差もあることから、自分にあった商品を選ぶことが重要になるとお答えしています。

栄養ドリンクに含まれる成分

栄養ドリンクには、タウリンやビタミンB群などを配合したリポビタンDやのような指定医薬部外品や滋養強壮に効果がある生薬成分やビタミンB群などを配合したユンケル黄帝のような医薬品まで幅広いラインナップがあります。タウリンは、生体内代謝に関わり、胆汁の分泌、解毒、肝保護などの作用があり、疲労回復や栄養補給に効果があります。ビタミンB群は、エネルギーを生み出すエネルギー代謝に重要な栄養素です。また栄養ドリンクには、15歳未満が服用できない商品が多く存在するため、十分注意してください。

栄養ドリンクの選び方は??

より効果を求めたいといった来局者に、筆者の場合は、指定医薬部外品よりコストは高くなりますが医薬品(第2類医薬品など)のドリンクをおすすめしています。さらに、商品としてはタウリンやビタミンだけでなく、動物性生薬のゴオウやハンピ、植物性生薬のニンジンなどを配合したドリンク剤をおすすめしています。

また、風邪を引いた時の栄養補給などで、寝て休みたいといった場合には、ノンカフェイン(カフェインが無配合)の商品を選ぶと良いでしょう。肌荒れが気になればビタミンB2、B6がメインの商品を、生理周期に伴っただるさなど女性には、鉄分を配合した商品などもあります。

エナジードリンクの注意点

若者を中心に売れているカフェインが含まれるエナジードリンクですが、中枢神経刺激作用があるカフェインにより“シャキッとしたい時”に役に立つでしょう。エナジードリンクは、食品の中の「清涼飲料水」に分類され、具体的な効能・効果の表示はありませんが、カフェインには、眠気や倦怠感を軽減し、一時的に集中力を向上させる作用が期待できます。「あと数時間、もう一踏ん張りしたい」「会議に集中したい」など適切な量のカフェインをたまに使用することは、そこまで問題ではありません。ただし、カフェインは『元気の前借り』です。エナジードリンクを飲んで用が済んだら、しっかりと休息をとるようにしましょう。カフェインの過剰摂取には急性中毒のリスクがあるため、飲み過ぎることがないよう十分注意しましょう。

疲れをためないことも大切

疲れをためないために、睡眠をしっかりとることや1日3回の食事をバランスよく摂ることがまず重要です。その上で、滋養強壮などを目的に市販薬を活用していくとよいでしょう。ただし、体質や持病の有無、服用している医薬品によって摂取に注意が必要な成分があるため、薬剤師や医薬品登録販売者に相談してから購入すると良いでしょう。

薬剤師

昭和薬科大学薬学部卒業。薬局に勤務する現役薬剤師。OTC医薬品(市販薬)の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、コラムの連載を複数持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』

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