【薬剤師が教える】経口補水液OS-1のNGな飲み方・正しい飲み方、役立つ知識も〜脱水を伴う熱中症〜
暑くなってきました。脱水を伴う熱中症やかぜや胃腸炎など体調不良時の水分補給などに経口補水液OS-1を飲んでいる方もいらっしゃるでしょう。OS-1は、セルフケアをする上で、上手に活用できれば非常にコスパがよい優れものだと筆者は考えています。今回は知って得するOS-1の話をしますので、これからのセルフケアにお役立ていただければと思います。
経口補水液のOS-1ってなに?
OS-1は軽度から中等度の脱水症における水・電解質の補給、維持に適した病者用食品です。感染性の胃腸炎や風邪が原因である下痢・嘔吐・発熱時の水・電解質の補給や脱水を伴う熱中症などに頼りにしている方も多いことでしょう。
ポイントは、うすめてはダメ!
OS-1は、水と電解質の吸収を速めるために、ナトリウムイオンや糖分がとっておきのバランスで含まれています。だからこそ水や氷で薄めてしまうと、バランスがくずれて吸収が悪くなってしまうので、薄めないように注意しましょう。
スポーツドリンクとのちがいは?
OS-1のとっておきのバランスとは、ナトリウムイオンなどの電解質濃度が高く、糖濃度が低いことです。そのため、味は甘さ控えめで、塩味が強めになります。『味が苦手』という方は、ゼリータイプは塩味を感じにくくオススメですし、OS-1アップル風味も飲みやすい味になっています。スポーツドリンクは、OS-1より電解質濃度が低めで、糖濃度が高めです。だからこそ味は、おいしく飲めますが、水と電解質の吸収の面ではOS-1に劣るでしょう。ただし、通常の運動時の水分補給はスポーツドリンクで十分です。
秘伝 OS-1のオススメの飲み方は?
じっくりじっくり飲むパターンとゴクゴクと無理ない速さで飲むパターンがあります。風邪による発熱や下痢、嘔吐などで飲む場合や高齢者の食事・水分摂取不足で飲む場合などは、点滴のようにじっくりじっくりと飲むとよいでしょう。一方、暑い日に長く外にいたりしたなど脱水を伴う熱中症かも?と思ったときには、無理のない速さでゴクゴクと飲むようにしましょう。飲む量は、目安量をしっかりと守りましょう。
こんな人は注意
OS-1は、電解質濃度(ナトリウムやカリウムなど)が高いため、塩分を控えている高血圧の方や透析療法を受けている方などは、OS-1をむやみに毎日飲んだりしないように注意しましょう。飲んではダメというわけではありませんので、心配な方は薬剤師や医薬品登録販売者に相談するようにしてください。
終わりに
OS-1は、『飲む点滴』のイメージで、上手に活用すると、セルフケアに非常によく役立ちます。ただし、勘違いしてほしくないのは、OS-1は、マイナスの体調を0に戻していくものであり、たくさん飲めばより健康になるというわけではありません。体調がよく1日3回食事がしっかりとれていれば、水分補給は、水やお茶で十分でしょう。
今回は、OS-1の話をさせていただきました。市販薬やヘルスケア商品の選択に困ったときは、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して購入するようにしましょう。