【薬剤師が教える】水で飲むと効果がない!?『龍角散』の飲み方のコツと知識〜のどの荒れ、せき、たん〜
セルフメディケーションが推進される中で、ドラッグストアなどで市販薬を自分で選んで購入されている方も多いでしょう。これからの生活に役立つ市販薬の選び方や知識を市販薬に精通した現役薬剤師が伝授します。
龍角散とは?
龍角散や龍角散ダイレクトスティック(ミント・ピーチ)などは、複数の生薬成分を配合し鎮咳去痰薬に分類される市販薬です。せきやたん、のどの荒れ、のどの不快感などの症状に愛用している方が多く、非常に人気が高い市販薬といえるでしょう。また、龍角散の人気は国内だけでなく海外でもあり、インバウンド客による爆買いも話題となったこともありました。
飲み方は『水なし』が重要
そんな龍角散ですが、服用法を誤っている方をたまに見かけるため注意してください。薬といえば、水で服用することが常識ですが、龍角散は違います。龍角散は、『水なし』で服用するお薬です。添付文書をしっかり読まずに、水で服用していたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
水なしで服用する理由は?
龍角散に含まれる生薬成分は、喉の粘膜に直接作用し、喉の線毛運動を活発にすることが効果のポイントです。水で服用してしまうと喉の粘膜で作用する成分が流されてしまうのです。そのため、水なしでじっくりじっくり喉を通過するように服用することが大切だとわかると思います。せっかく購入したお薬の効果をしっかりと発揮させるためにも服用法をしっかりと守りましょう。
服用のポイントは?
まずはしっかりとうがいをしてから、服用時に舌の上に薬を置き、ゆっくり溶かすようにしながら、喉の奥の方に運びます。また服用後は、薬がすぐに流れないように15 分から30 分程度は飲食しないようにしましょう。
龍角散と龍角散ダイレクトの選び方
龍角散は、さじを使って服用するアルミ缶入りの微粉末生薬製剤です。江戸時代に原型が誕生したロングセラー商品ですが、生薬特有の味があり、粉薬となっています。味や粉が苦手な方には、龍角散ダイレクトスティック(ピーチ、ミント)がオススメです。服用しやすい味付けである上に顆粒タイプで飲みやすく、スティック型の個包装のため携帯性に優れています。龍角散と龍角散ダイレクト(ピーチ、ミント)は、配合成分や効能効果に若干の違いはあるものの、効果に大きな差はないと考えられるため、飲みやすさやコスパなども考慮しつつ選択すると良いでしょう。
症状がひどい場合などは病院へ受診を
喉の痛みが激しかったり、咳が長く続く場合などは、大きな病気が原因である可能性があるため、漫然と市販薬を使わずに病院へ受診するようにしましょう。
今回は、龍角散についての話でした。他の症状に対応した市販薬の話も今後していけたらと思います。市販薬選びに困ったときは、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して購入するようにしましょう。