ともに「左」が鍵のトレード。前年63登板の左投手と左投手に対して通算出塁率.367の打者を交換する
7月7日、サンフランシスコ・ジャイアンツとシンシナティ・レッズは、トレードを成立させた。ジャイアンツがアレックス・ヤングを獲得し、レッズはオースティン・スレイター(と金銭)を手に入れた。
30歳のヤングは、左のリリーバーだ。シンカー、チェンジアップ、カーブを主要3球種とする。今シーズン、メジャーリーグでは3登板ながら、AAAで23試合に登板し、22.2イニングで奪三振率8.74と奪三振率2.78、防御率1.19を記録している。
現在、ジャイアンツのブルペンには、左投手が3人いる。テイラー・ロジャースとエリック・ミルナーに、コルトン・イングラムだ。3人目のイングラムは、今月初旬にセントルイス・カーディナルスから移籍し、AAの1登板を経て、ヤングのトレードの前日に昇格した。
ジャイアンツがヤングを獲得したのは、イングラムが好投できなかった場合に入れ替える、というシナリオのように見える。
ヤングがジャイアンツに在籍するのは、今回が2度目だ。2年前の夏にクリーブランド・ガーディアンズからジャイアンツへ移り、24登板の26.1イニングで奪三振率6.84と与四球3.76、防御率2.39。サンプル数は多くないものの、それまでのキャリアからするとブレイクした。昨シーズンは、レッズで63登板。53.2イニングを投げ、奪三振率8.39と与四球率3.35、防御率3.86を記録した。
一方、31歳のスレイターは、外野3ポジションを守る。2018~19年は、一塁手としても計23試合に先発出場した。
左投手に対し、今シーズンは85打席で出塁率.306だが、通算の872打席は出塁率.367だ。過去3シーズンとも、それぞれ140打席以上で左投手と対戦し、いずれも出塁率.360以上を記録している。
2022年にチームメイトだったヤングとは、2019~21年に計12打席で対戦。その結果は、二塁打1本とホームラン1本を含む、10打数5安打、2四球だ。3年ぶりにヤングと対戦するかどうかはわからないが、レッズとジャイアンツは、8月2日~4日に3試合を行う。
7月7日を終え、ジャイアンツは44勝47敗、レッズは42勝48敗。どちらも、地区4位に位置し、首位には10ゲーム以上離されている。ただ、ワイルドカードの3番手との差は、3.5ゲームと5.0ゲームだ。地区優勝は難しそうだが、ワイルドカードによるポストシーズン進出の望みは、まだ潰えてはいない。