8日前に退団したベテランが、同じ球団と契約を交わす。なぜ、彼は戻ってきたのか
007は二度死ぬ。ロビンソン・カノーは、サンディエゴ・パドレスに2度入団する。それも、1ヵ月足らずの間に2度だ。
6月10日、パドレスは、カノーとマイナーリーグ契約を交わしたことを発表した。前回、カノーがパドレスに入団したのは5月13日、退団したのは6月2日だ。今から8日前に、メジャーリーグの40人ロースターから外され、マイナーリーグ降格ではなく、FAになることを選んだ。その経緯については、「先月入団したばかりのカノーがパドレスを去る。代わりに昇格したのは、秋山翔吾ではなくこの飛ばし屋」で書いた。
前回と違い、今回はマイナーリーグ契約だ。カノーは、パドレス傘下のAAAでプレーし、昇格をめざす。
であれば、8日前にマイナーリーグ降格を受け入れてもよかったような気もするが、FAになった後、カノーの代理人を務めるブロディ・バン・ワゲネン(ロック・ネーション・スポーツ)は、他の球団に当たってみたのだろう。けれども、カノーとメジャーリーグ契約を交わそうとする球団は、見つからなかったと思われる。
無理もない。カノーの通算打率は.300を超え、300本以上のホームランと500本以上の二塁打を打っている。ただ、年齢は39歳だ。今シーズンは、ニューヨーク・メッツとパドレスで12試合ずつに出場し、打率.195と.091に終わっている。計11安打のうち、長打はホームランが1本しかない。
なお、前回、パドレスに入団した時、カノーは、一塁コーチのデビッド・マシアスに背番号「24」を譲ってもらった。マシアスは背番号「46」に変更し、カノーが退団した後もそのままなので、今のところ、パドレスの背番号「24」は空いている。