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今週は梅雨前線が2度北上して大雨のおそれ…梅雨は次のステージに:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
17日9時の予想天気図(気象庁HPより)。梅雨前線は九州南部から北上する見通し。

17日は次第に梅雨前線が北上し、雨の範囲がじわじわと広がる予想です。今週は2度にわたり梅雨前線が北上して、本州付近にも本格的な梅雨の雨が降ることに。大幅に遅れていた梅雨入りも、続々と各地で発表されそうです。

雨域ゆっくり広がる

17日の(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
17日の(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

17日は朝の時点では奄美や九州南部、午後になると九州北部でも雨になり、夜には四国や中国・近畿の一部でも降るところがありそうです。
雨域の広がり方はゆっくりで、東海・北陸や関東では天気のくずれはない見込み。ただ、これが貴重な晴れとなりそうです。
なお、北日本では低気圧の影響で一部雨が降るところがあるでしょう。

前線北上!関東など太平洋側で警報級の大雨に

18日9時の予想天気図(気象庁HPより)。梅雨前線上を低気圧が東へ進む。
18日9時の予想天気図(気象庁HPより)。梅雨前線上を低気圧が東へ進む。

18日(火)になると、北上する梅雨前線の上に低気圧が発生し、発達しながら東へ進む見通しです。この影響で特に太平洋側の地域では大雨になるおそれがあり、広い範囲で大雨警報を発表する可能性があると気象庁が情報を出しています。

18日の大雨警報の可能性(気象庁HPより)。
18日の大雨警報の可能性(気象庁HPより)。

梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が南西風に大量に流れ込んでくるため、特に南西側に開けた斜面のある地形で雨の量が多くなるおそれがあります。流れ込む暖湿気のレベルとしては梅雨本番と同程度なので、約1か月前に沖縄から始まった今年の梅雨シーズンも、ついに新しいステージに入ったと言えそうです。

いったん晴れ間出るも、梅雨入りの判断あり?

週間予報(気象庁HPより)。
週間予報(気象庁HPより)。

18日(火)の雨のあと、広い範囲でいったん晴れ間が出て、その後21日(金)~22日(土)に再び梅雨前線が北上したあと、本格的に曇りや雨が連続しやすい見通しです。そのため、関東などの梅雨入り発表は21~22日の雨のタイミングではないか、と予想している気象会社もあります。
ただ、筆者の記事では何度か言及している通り、梅雨入り発表の意義のひとつは大雨への注意喚起です。そのため、18日(火)の雨の降り方次第では、たとえその後に晴れ間が来るのがわかっていても、ここで梅雨入り発表をするという判断もありそうです。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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