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被災地へ届け。身近な材料で効率よく雨を集める「手づくりレインキャッチ」を小学生がつくった

橋本淳司水ジャーナリスト。アクアスフィア・水教育研究所代表
筆者撮影

「能登半島地震で断水が続き、被災地では雨水を活用している人がいる」ことをメディアで知った小学生が、雨水を効率よく集める道具をつくった。「被災地の人々の役に立てれば」と語っている。

雨を集める道具を考えたのは、埼玉県久喜市立久喜小学校4年1組5班の児童たち。同校では総合的な学習のなかで、「雨水プロジェクト」という雨をテーマにした授業を行ってきた。

「被災地で雨を集めている人が、雨どいの先にゴミ袋をつけたり、ブルーシートやプラスチックの衣装ケースを使っていると知った。それよりも雨どいから『手作りレインキャッチ』を使って集めたほうが、よりたくさんの雨が集められる」(児童)

もともとの「レインキャッチ」(特定活動非営利法人雨水市民の会)は金属製だが、「非常事態なので、もっと身近な材料でつくってもらえれば」と牛乳パック、コーヒー飲料のパックなどを使用した。

【材料】

飲料パック、ホース、雨をためる容器(ふたがついていると汚れが入らないので望ましい)、防水(ガム)テープ

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【つくり方】

1)飲料パックを以下のような形に切る。

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2)切った容器3枚を重ね、防水(ガム)テープでかたちを整え、ホースに接続する。

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3)設置する場所の雨どい(たてどい)にのこぎりで「手作りレインキャッチ」を差し込むための切り込みを入れる。

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4)「手作りレインキャッチ」を奥まで差し込む。

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これで雨どいを流れる雨をつかまえて、バケツなどに移すことができる。水を入れる容器は蓋つきのものであれば汚れは入りにくい。

集められる雨の量は、屋根の面積と雨量によって決まる。仮に10平方メートルの屋根に10ミリの雨が降ったとすると100Lの水が集められる。雨水は降り始めこそ空気中の塵などといっしょになっているが、それが過ぎると比較的きれいで生活用水に使える。

「掃除やトイレの流し水などに使ってもらうことで、水汲みの回数が減ると思います。断水が1日でも早く解消されることをお祈りします」と児童たちは語っていた。

水ジャーナリスト。アクアスフィア・水教育研究所代表

水問題やその解決方法を調査し、情報発信を行う。また、学校、自治体、企業などと連携し、水をテーマにした探究的な学びを行う。社会課題の解決に貢献した書き手として「Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2019」受賞。現在、武蔵野大学客員教授、東京財団政策研究所「未来の水ビジョン」プログラム研究主幹、NPO法人地域水道支援センター理事。著書に『水辺のワンダー〜世界を歩いて未来を考えた』(文研出版)、『水道民営化で水はどうなる』(岩波書店)、『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る〜水ジャーナリストの20年』(文研出版)などがある。

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