高校生の2人に1人は便秘状態もしくは便秘予備軍、受験に備えてお腹を整えよう!
日本トイレ研究所は全国の高校生1,000人を対象に排便事情に関するインターネットによるアンケート調査を行いました。これまでは小学生以下の子どもへの調査が中心で、高校生対象で実施するのは初めてです。本記事では、便秘と思われる生徒がどのくらいいるのか、また便秘が及ぼす勉強への影響等について説明します。
便秘状態の生徒は20.2%
まずは結果を先にお伝えしますと、便秘状態と思われる生徒が20.2%、便秘予備軍と思われる生徒が27.0%でした。あわせると半数近くになります。また、便秘状態に関しては、男性9.7%に対して、女性26.4%という結果になりました。全体として排便リズムが乱れている人が多いことに驚きました。
調査方法が異なるので直接比較はできませんが、厚生労働省による国民生活基礎調査(2013年)では、10代の便秘の有症率は男性0.4%、女性1.7%ですので、かなりの差があります。
なお、本調査では、次の6項目のうち2つ以上該当する人を便秘状態とし、1項目該当する人を便秘予備軍としました。以下の項目は『慢性便秘症診療ガイドライン2017』に掲載されている慢性便秘症の診断基準を参考にしました。
・排便しても便が残っている感じがある
・排便中に強くいきむ必要がある
・うさぎのようなころころした便や硬い便がでる
・肛門が詰まっている感じ、またはうまく出せない感じがある
・自然な排便の回数が、週に2回以下(週に3回未満)
・肛門の周りを押したり、手を使って便をかき出す必要がある
便秘状態の高校生は体の不調を感じている
次に、勉強への影響についての結果です。授業中や自分自身の勉強を行う際に集中できていないことがあるかを聞いたところ、全体では「よくある」(29.0%)、「たまにある」(42.3%)だったのに対し、便秘状態の人は「よくある」(41.6%)、「たまにある」(45.0%)でした。
さらに、勉強に集中できないと回答した713人に対して、その理由を聞いたところ最も多いのは「疲れているから」で、「勉強がつまらないから」「他にやりたいこと、考えたいことがあるから」と続きます。ここで注目いただきたいのは、「体の不調があるから」です。便秘状態(37.1%)とそうではない人(15.8%)の差が最も多く21.3ポイントありました。
新型コロナウイルス感染症により私たちの生活は大きく変わりました。そこで、コロナ禍による生活変化が排便に与える影響についても質問しました。コロナ禍で便秘になることが「増えた」と回答した人は24.0%でした。
部活動やスポーツ大会、学園祭、修学旅行など、多くの行事が延期や中止になっています。精神的なストレスに加え、活動・運動する機会を制限されることによる身体的な悪影響も心配されます。
便秘症はイライラ・集中力低下などの原因にも
今回の調査結果に対する、中野美和子氏(小児外科医)の意見を紹介します。
便は生活の結果
中野美和子氏が指摘するとおり、便は、食事の内容だけでなく、睡眠、運動、心の状態などが関わっており、それらを含めた生活の結果を見える化したものであるため、私たちは自分の便にもっと関心を持つべきで、その結果をもとにライフスタイルにフィードバックすることが必要だと考えます。日頃、私たちは体重や体脂肪、体温、血圧などをもとに健康管理をしますが、それと同様です。
また、腸は自律神経と深くかかわっているので、腸内の状態を悪くしてしまうことは、自律神経の乱れにも影響すると思いますし、免疫力低下にもつながります。つまり、疲れやすい、病気になりやすいということだと考えられます。
いよいよ受験シーズンです。日ごろの勉強の成果を発揮するには、体調管理が欠かせません。毎日の便チェックをとおしてお腹の状態を整え、試験に挑んでもらいたいものです。
以下のうんちチェックを活用してみてください。