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敏感で繊細な子どもはネガティブになりがち?HSCの本当の姿とは

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

「無理しない育児」をモットーに、保育士として地域の子育て支援事業に従事しながら、オンラインでも育児に関する情報発信をしています。

そして私も現役の子育て世代で、3人の姉弟の育児に日々奮闘しています。

私は仕事の関係でいろんな子どもたちと接する中で、HSCっていう気質を持つ子どもたちがいることが分かりました。

さらにその特徴を見ていくと私の幼少期も、もしかしてHSCだったのではないかと思うところがありました。

その後HSP診断やHSPに関する本を読んでいるうちに、おそらく私はHSP(Highly Sensitive Person)ではないかと自覚しました。

そこで今回はHSCの子育てに関するお話をしたいと思います。

HSC=ひといちばい敏感な子とは?

HSPは日本の場合『繊細さん』という言葉でも多く知られるようになりましたよね。

元々はアメリカの心理学者が提唱した概念で、その提唱者である心理学者のアーロン博士はHSCに関する本も出版しています。

参考記事:HSCを知っていますか?〜ひといちばい敏感な子ども〜

その日本語訳になったタイトルが「ひといちばい敏感な子」という本です。ひといちばい敏感というのがどういう状態かということが書かれています。

そこには「HSPは生まれつきよく気がつき、深く考えてから行動します。そのため、大人も子どもも共感力があり、聡明で、直感が鋭い。また創造性が豊かで、思慮深く、慎重な傾向があります。そして間違ったことをするとどうなるかがよくわかるので、行動を慎むのです。」とも書かれていました。

またHSCかどうかを知るための、23のチェックリストも記載されています。

例えば、すぐにびっくりすることや親の心を読むこと。そして年齢の割に難しい言葉を使ったり、大きな変化にうまく適応できない。また完璧主義で、痛みに敏感であり、物事を深く考えるなどといったチェック項目がありました。

そこで私も幼い時の行動や、自分の記憶だけではなく周りの人、特に母から聞いた行動の様子から、これをチェックしてみました。

その結果、私の幼少期もかなり当てはまっていて、きっとHSCだったんだろうなと思ったのです。

そしてHSCの特徴としては、物事を深く考えたり、処理するところがあるので、やはり色んなところに想像が働きやすいところがあります。

また敏感に感じ取る性質もあるので、喜怒哀楽すべての感情に対して感受性が豊かです。

そのため特に不安に対する感情のセンサーが高く、うまく行動に移せないこともあります。また心配性になりやすいこともあり、私の幼少期、特に小学生ぐらいの時はそうだったなと覚えています。

HSCを育てることは最高に幸せな挑戦

やはり不安に対するセンサーが高い場合、子どもの口から「どうしよう」と不安や心配の言葉が出てくることもあるかと思います。

また心配の気持ちも強いので、ネガティブな発言が見られることもあるのではないでしょうか。

そうすると、HSCのお子さんを子育て中の保護者さんから「うちの子はこのままネガティブになってしまうのかな」や「慎重派で、あまり自分のやりたいことに挑戦できていないのではないか」といった声を聞くこともあります。

しかし私はHSCという気質を持ってるお子さんが、これからどのように成長していくかは、本当に可能性が無限大であると思います。そしてネガティブに成長していくことばかりではないとも思っています。

それは私自身の生きてきた人生の経験から実感しています。またHSCのことを知れば知るほど、そう強く感じます。 HSP気質についてもその1つであり、私はそれを自覚してからの方が、むしろ生きやすくなったと思っています。

やはり生まれ持った気質というのは、その後の生きていく人生に少なからず残り続けて影響を与えるていると感じています。

しかし生きていく環境は、周りの人、まずは親や保育者などの関わる大人が作っていくことができます。

そして、その親元を離れて育ったあとは、自分で生きていく環境を選んで作っていくことができますよね。

そのため生まれ持った気質が全てを決めるわけではない、その気質をしっかり理解することによって、その生きやすさも変わっていきます。

その気質であるからこそ、実りのある人生にもしていけるのではないかと感じています。

そして、このHSCを提唱したアーロン博士も本の中で、このように語っています。

「HSCを育てることは、最高に幸せな挑戦です」と書いてありました。すごく素敵な言葉だと思いませんか。

この言葉を見て、元HSCで現HSPを自覚してる私も、すごく励まされた気持ちになりました。そしてもう1つ、こんな一節もあります。

あなたは、子どもの幸せや成功を心配してはいませんか。もしそうなら、そのような心配は捨ててしまってください。大勢のHSCが他の子よりもはるかにたくさんの喜びと、はるかに深い満足を感じることができる」と語っています。

私も、この内容について本当にそうであると実感しています。

ポジティブな感情も、ひといちばい感じられる

やはり、あらゆる刺激を受け取りやすく、それによって、いろんな感情が湧きやすいのが性質の1つです。そのため不安や心配、そういったネガティブな感情を起こりやすいことはあります。

しかし喜びや楽しさ、嬉しさや感動といったポジティブな感情も、ひといちばい感じられるのです。

そしてHSCはこれから年を重ねると変わっていくこともたくさんあるだろうと考えていますし、私自身の人生の経験からも実感しています。

また幼少期や若年層はHSPの持つ敏感さや繊細さが特徴として現れる人が多いです。しかし年を重ねると、その程度が和らいで生きやすくなることを示した研究もあります。

そしてアーロン博士もこの著書の中で、「HSCも10代になると大胆になります」そして「HSCにとっての青年期は、生涯の中で新しいことに挑戦したいという思いが1番強く、過剰な刺激に煩わされることが1番少ない時期なのです」と言っています。

私の人生も、まさにこの話に当てはまっています。

10代半ばから20代前半は、1番何でも挑戦した時期で、あまり敏感さを忘れていました。そのため幼児期、乳幼児期が1番その気質が強く現れる時期ではないかと思います。

もし今、HSCかもしれないなと思うお子さんを子育て中の方には、ぜひ、将来に強く希望を持ってほしいなと思います。そして一緒に子育てを楽しんでいきましょう。

<SNSでも子育てに関する情報発信をしています>
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

国立大学で子どもの自立支援について研究中の子育て支援保育士。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月、2023年10月に男の子を出産した3児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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