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東京は、あの冷夏の記録には届かないものの16年ぶりの寒い7月

饒村曜気象予報士
雨雲が広がる空の様子(写真:アフロ)

オホーツク海高気圧

 7月に入り、オホーツク海高気圧から冷湿空気が東北から関東地方に流入しています(図1)。

図1 地上天気図(7月11日9時)
図1 地上天気図(7月11日9時)

 令和元年(2019年)7月に東京で夏日(最高気温が25度以上)にならなかった日はすでに8日もあり、12日の最高気温の予想も23度と夏日ではありません。

 平成の30年間で、7月に8日以上夏日がなかったのは、平成5年(1993年)と平成15年(2003年)の2回しかありません。つまり、16年ぶりの寒い7月ということができそうです(図2)。

図2 東京の7月で夏日にならなかった日数
図2 東京の7月で夏日にならなかった日数

東京の今後の気温

 ただ、東京の最高気温と最低気温の予報をみると、13日以降は夏日が連続し、19日以降になると真夏日(最高気温が30度以上の日)が連続するという予報になっています(図3)。

図3 東京の令和元年(2019年)7月の気温(12~18日は気象庁の予報、19~27日はウェザーマップの予報)
図3 東京の令和元年(2019年)7月の気温(12~18日は気象庁の予報、19~27日はウェザーマップの予報)

 つまり、13日以降は夏日が続く予報であることから、平成15年(2003年)の記録を抜くかどうかは微妙です。

 冷害と大雨被害で米不足が発生し、輸入米騒動となった平成5年(1993年)の記録には届かないと思います。

東京の梅雨明けは

 東京の16日先までの天気予報を見ると、7月19日と20日が白雲(雨の心配がない曇り)マークです。

 降水の有無の信頼度が、5段階で下から二番目に低いDで、その後は、黒雲(雨の可能性がある曇り)マークがありますが、晴れマークも顔を出すようになります。

図4 東京の16日先までの天気予報
図4 東京の16日先までの天気予報

 関東の梅雨明けの平年日は、7月21日ですので、ほぼ平年並みの梅雨明けかもしれません(表)。

表 令和元年(2019年)の梅雨明け
表 令和元年(2019年)の梅雨明け

 ただ、気になるのは熱帯低気圧です。現時点においては北太平洋赤道域に熱帯低気圧やその卵である積乱雲の塊はみられませんが、そろそろ発生してもおかしくない時期にきています。

 梅雨前線による雨が続いているところに、熱帯低気圧(台風)が襲来すると、大雨となって大災害が発生する可能性がありますので、南の海にも注意が必要です。

図1、表の出典:気象庁ホームページ。

図2の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

図3の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

図4の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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