日本自衛隊に配備予定のSM-3迎撃ミサイルは合計180発規模へ
8月27日、DSCA(アメリカ国防安全保障協力局)からアメリカ議会に日本向けSM-3ブロック2A迎撃ミサイル73発、約33億ドルの売却が通告されました。SM-3ブロック2Aは弾道ミサイルを大気圏外で迎撃する最新の迎撃ミサイルです。
- 2019年8月27日 SM-3ブロック2A(73発) 33億ドル
- 2019年4月9日 SM-3ブロック1B(56発) 11億5千万ドル
- 2018年11月19日 SM-3ブロック2A(13発)、SM-3ブロック1B(8発) 5億6千万ドル
- 2018年1月9日 SM-3ブロック2A(4発)1億3千万ドル
昨年から最近までの日本向けSM-3売却許可数は新型のSM-3ブロック2A(90発)と従来型のSM-3ブロック1B(64発)で合計154発となっています。この数字は最大許可数であり実際の購入数とイコールではありませんが、仮にこれを実際の購入数とした場合、既に配備されているイージス艦「こんごう」型4隻に搭載されているSM-3ブロック1A(32発)を足すと186発になり、「あたご」型2隻・「まや」型2隻・イージスアショア2基(操作要員がハワイの実験施設で訓練予定)の試射で射耗する6発を引いて、合計180発が自衛隊の配備予定数となります。
なおイージス・システムのバージョンの関係でSM-3ブロック2Aについて「こんごう」型4隻は運用できず、「あたご」型2隻はエンゲージ・オン・リモートの出来ない限定運用、「まや」型2隻とイージスアショア2基はフルで運用が可能となっています。【関連記事】「ローンチ・オン・リモートとエンゲージ・オン・リモート」
これに加えて横須賀に居るアメリカ第7艦隊のイージス艦のSM-3搭載数が加わり、有事の際にはハワイやサンディエゴからイージス艦の増援が来るので、日本周辺を守るイージスのSM-3保有数は数百発の規模となり、北朝鮮の保有する日本向け準中距離弾道ミサイルの推定保有数を上回る規模となる予定です。
SM-3ブロック2Aは1発当たり約40億円、SM-3ブロック1Bは1発当たり約20億円と、一般的な迎撃ミサイルの十倍から数十倍の価格となる非常に高価な迎撃ミサイルです。SM-3の迎撃弾頭は大気圏外の宇宙空間で機動するためにサイドスラスターを噴射する小型の人工衛星のような構造で、この部分に大きな費用が掛かります。