【6月5日は芒種】何をする日?どう読むの?縁起がいいってほんと??気象予報士の暦解説
今日6月5日は二十四節気のひとつ、芒種です。そもそも読みづらい漢字である上に、かつて大手新聞社が実施した暦の知名度ランキングでも下位を争っていたような暦ですが、何をする日なのでしょうか。
そのまま音読み!「芒種」
「芒種」は「ぼうしゅ」と読みます。意外と見た目通りの読み方でしたね。
ただ「芒」という字にはわりと深い意味があります。もとは麦やイネのようなタイプの植物の、とがった穂先(=ノギ)のことを意味していましたが、そこから転じて「とがったもの」全般に使われるようになりました。
たとえば、★マークのことを「五芒星(ごぼうせい)」ということがあります。とがった部分が5つあるためです。もちろん6つあれば「六芒星」になります。
また、光が細くとがった状態で差し込んでいるのを「光芒(こうぼう)」と言うことも。「芒」なんて字、見たことない!と思われたかもしれませんが、意外とさまざまな熟語に使われているのです。
「芒種」は種まきの日…だけど何を始めても縁起いい!?
さて、「芒」の部分はもともと麦やイネのことで、「芒種」はそれに「種」がついているわけですから、「芒種」全体だと穀物の種のことになります。つまり、「芒種」は穀物の種まきをする日です。
現代ではすでに5月のうちにイネの田植えが完了している地域がほとんどですが、麦とイネの二毛作をしている地域では5月後半に麦を収穫してちょうど今ぐらいの時期にイネを植えることになります。
一方、かつてはこの時期が稽古始(けいこはじめ)の日とされていて、現代でも習い事や勉強などを始めるのに縁起のよい日と考えられています。何か新しいことを始めてみたいと考えていた人は、これを機に始めてみるのもよさそうです。
「芒種」の時期が田植えによいとされた理由は?
「芒種」を含む24個の暦が並ぶ二十四節気(にじゅうしせっき)は、もともと昔の人が農作業の目安としていたカレンダーです。そのため、すべての暦には気象にまつわる根拠があります。
「芒種」は6月上旬、つまり毎年これから梅雨に入って雨がの量が多くなるタイミングです。この「芒種」を目安に田植えをしておけば、そのさき雨が降って苗を枯らさずにすむということになります。
逆に言えば、たとえ麦やイネと関係ない仕事をしている人でも、「芒種」がやってきたということはこれから雨が多くなるということなので、今後の気象変化の目安になるわけです。
今や二十四節気よりも便利なカレンダーが存在する時代ですが、昔の人の知恵を知っておくと、季節のおおまかな流れを知ることができるのですね。