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偽の投資サイトの詐欺グループ19人が、香港の警察により逮捕!国内で急増する詐欺との関わりはあるのか?

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(写真:PantherMedia/イメージマート)

昨年から今年にかけて、マッチングアプリやSNS上で出会った異性から、ロマンスの感情を抱かせられたところで、偽の投資サイトに誘われ、仮想通貨で送金するなどして、多額の被害に遭うケースが続出しています。

消費者庁、金融庁、警察庁からも、合同で「暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください!」との注意喚起がなされていることからも、被害の深刻さがわかります。

8月20日付の香港電台(RTHK)の報道によれば、香港の警察は、男女19人を暗号資産の詐欺容疑で逮捕しました。

このグループでは、中国国内や海外の人々を標的にして「投資をして儲けられる」などの文言で、偽のアプリやウェブサイトに誘導して、お金をだまし取っていたということです。100台以上のスマホや現金、暗号資産などが押収されています。

その逮捕者の多くが若者で、まさに日本における振り込め詐欺の構図とよく似ており、彼らは差し詰め、詐欺の電話をかける「架け子」のような存在で悪事に手を染めていたとみられます。

これまで、この種の偽の投資サイト詐欺を行っている実行部隊は、中国系の海外組織と考えられてきました。

というのも、なりすました人物の挨拶は「ご飯食べたか?」という中国式の挨拶から始まり、その人物と話した人の多くは中国語で話してきたと言っています。また「南の方の人の訛りだった」との被害者らの証言もあり、今回の逮捕により、その実態が裏付けられてきています。

今回の詐欺グループが、日本人もターゲットにしていたかは判然としていませんが、彼らが詐欺に使用していた偽の投資サイト名がわかれば、その辺りのことも、おのずとわかってくるかと思います。

こうした詐欺グループはあまたあり、今後も香港の警察による逮捕は続くとみられますので、ぜひとも日本の警察も海外の警察との連携をはかり、日本から奪われた暗号資産や現金がないのかを、徹底的に捜査して頂ければと思います。

すでに「次々に、中国系犯罪組織に狙われる日本!そして、今のロマンス投資詐欺には、国内犯の幇助の影あり」で述べたように、詐欺のアプローチが海外組織であっても、国内犯の幇助なくして、これだけの被害にはなりえないと考えています。その辺りのつながりも見えてくることを期待しています。

連日のように、偽の投資サイト被害に遭ったという報告が寄せられますが、なかには警察署によっては被害届を受け取ってもらえないという被害者の悩みの声も聞かれます。

この手の海外からの詐欺を国内から一掃するためにも、一人でも多くの被害者の声を受け止めて頂き、ぜひとも犯人検挙につなげてもらえればと、切に望むところです。

<参考文献>

警察は暗号通貨詐欺で19人を逮捕 香港電台(RTHK)

https://news.rthk.hk/rthk/en/component/k2/1606849-20210820.htm

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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