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"初報道から1年" 宮脇咲良のBTS系事務所入りなぜいま正式発表に? ”あの事件”の影響は?

IZ*ONE時代の韓国公式サイトプロフィールより

ホントに良かったな。そう思うのだ。

元IZ*ONE宮脇咲良のHYBE行き、正式発表。

14日にこれを日韓メディアがこぞって報じた。

韓国内では大手ポータルサイト「NAVER」「Daum」双方の芸能デイリーアクセスランキングでベスト20入りとはならなかったものの「スポーツ京郷」は「海外でも爆発的反応」だった点を報じた。「日本でYahoo! トップページに掲載」「中国で現地版Twitter『微博』のホットトレンドに関連話題が入った」点などだ。

同紙芸能担当のハ・ギョンホン記者は言う。

「宮脇咲良は今後、BTSも所属するHYBEの子会社レーベルのソース・ミュージックに所属し、ともにIZ*ONEで活動したキム・チェウォンらとともに新しく誕生するガールズグループに合流するでしょう」

これまでの「HYBE入り」報道の流れ

とはいえ、だ。

じつに1年かかった。

韓国での最初の報道は1年前だったのだ。2021年3月11日、韓国経済新聞のスクープだった。

「『単独』IZ*ONE咲良、Big Hit行き…BTSと同じ釜の飯」

かなり短い記事なので全文を。社名が2021年3月31日から使用する「HYBE」ではなく、以前のBig Hitである点に”時の流れ”を感じる。

IZ*ONEのメンバー宮脇咲良がBig Hit Entertainmentと専属契約を結ぶ

11日、ハンギョン(韓国経済)ドットコム取材の結果、咲良はIZ*ONE活動終了後、Big Hitに新しい拠点を置き活動を続けていくことが分かった。

複数の関係者によると、咲良は最近この事実を側近たちに直接伝え、Big Hit行きを既定事実化させた。今後Big Hitからデビューするガールズグループに合流する可能性も高いとされる。

情報ソースは「複数関係者」「側近」だという点のみが明らかにされた。その後、2021年4月、8月、9月に関連報道の「波」があった。

4月のIZ*ONE解散時期には「HYBEではグループではなくソロ活動をするのでは?」(韓国日報)という報道があった。8月には17日に「交渉難航」も伝えられた。28日には「スポーツ京郷」が「韓国入国時にBTSと同じ警備員が誘導」「本人の荷物が多く、しばしの滞在とは思えない」と指摘。しかしこれを事務所側は「事実確認不可(ノーコメントのニュアンスに近い)」。

  • 8月の韓国入国時の現地ニュース。「NEWS1」公式アカウント

9月23日には再び「NEWSEN」が「契約完了説」を報じたが、HYBE側はまたしても「確認不可」と返答した。

その後は少しずつ関連報道の数がフェードアウトしていった。前出のハ・ギョンホン記者が続ける。

「咲良がHKTを卒業したのが昨年の6月20日でした。その後、韓国に(多くの荷物を持って)入国したのが8月28日でしたよね。韓国に来てから7か月も後に移籍を正式に宣言したことについては、多少意外に思う部分もあるかもしれません」

”1年かかった”理由 

余計なお世話だが、「話題が盛り上がっている時にドカンと」正式発表が出来なかったものか。そんな印象もあった。

その間、11月4日にはHYBEの会社説明会がオンラインで実施された。ここで「6人組のガールズグループ」の結成が発表されたが、宮脇咲良の合流が噂されるレーベルでの話ではなかった。

社内の別グループだったのだ。かつてSM Entertainment在籍時に少女時代やEXOのビジュアルを担当した「スゴ腕」ミン・ヒジン氏が別レーベルを立ち上げて結成するものだった。11月12日に公式発表があり、明らかになった。

また12月1日には元IZ*ONEの他のメンバー・ユジン、ウォニョンが合流した「IVE」がデビューした。話題としては「先を越された」かたちに。

で、なぜ今? そんな考えも頭をよぎるが…。 

  • IZ*ONE時代の「ファンカム」は266万回再生。高い人気を誇る。「Mnet」公式アカウントより

韓国「スポーツ京郷」の芸能担当、ハ・ギョンホン記者にそこのところを聞いていった。

ーー正式決定までずいぶん時間がかかったという印象もあります。どういった事情があったのでしょうか。

「HYBEは、昨年6月の宮脇咲良HKT卒業の時期から接触があったと韓国記者たちは見ています。報道にあったとおりですね。その後、いくつかの出来事が重なりました。主な点はHYBE側の他グループのスケジュールです。いまや巨大なグループとなった同社には、BTSはもちろん、SEVENTEENのほか他社(CJ)との共同プロジェクトENHYPENなどが稼働しています。『自社グループの日程ができる限り重ならないようにする』というのは韓国の芸能事務所の基本的な考え方です」

ーー新グループ立ち上げに関する動きが遅れた、と。

「そこにコロナが重なりましたね。既存のグループの活動が円滑に行かない面がありました。新しいグループの立ち上げが少し先送りになったという点は想像に難くないです」

ーーその間、別のグループが話題になっていきました。IZ*ONEの元メンバーも”再デビュー”していって。

「IZ*ONEの元メンバーも”再デビュー”については、この点もまた、重複を避けるべきポイントと判断したのでしょう。韓国の事務所がよく行う判断です」

ーー今年3月1日には、なんともいえない出来事が起きました。中国のファンが韓国で出した宮脇咲良の「誕生日(3月19日)お祝い広告」のデザインのうち「集中曲線」が批判の的になった。「旭日旗のようだ」と。この日が韓国の対日独立運動記念日だったため、ネット上で騒ぎになったというものです。この影響でまた少し遅れたのでは、と指摘する記者もいます。

  • 地上波「SBS」も報じる話題となった

「それは関係がなかったと見ます。韓国の芸能事務所のバースデー広告への基本的スタンスは『ノータッチ』というものです。ファンが自主的に企画するものと考える。これに影響を受けてスケジュールを変更することはないでしょう。ある時期から3月14日で決めていたのです。言い換えるなら、BTSのソウルコンサートの日程が終わった13日の翌日、ということです」

ちなみに昨年の11月にハ記者に話を聞いたときには「12月3日(BTSの12月2日のロサンゼルス公演が終わった直後)もあるのでは」と予想していた。時期は外れたものの「同社内別グループのイベント終了直後」という点は”的中”だった。

記者は宮脇咲良の今後をどう見ているのだろう。

「移籍の正式発表が遅かった分、次にあるだろうプロジェクトの発表時期は早いと予想します。咲良とキム・チェウォンのチームはすでにセッティングを終えた状態と考えてもいいでしょう。発表まで時間がかかるが、その間にしっかり準備を進める。これがHYBEのスタイルなのです」

こちらHYBEの公式発表(韓国語)を眺めながら、あれこれと予測するのもひとつの楽しみ方か。

(了)

【参考記事】解散IZ*ONE 宮脇咲良はなぜ韓国で評価されるのか 「彼女こそ典型的日本美女」説も(筆者による)

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【参考記事】どうなる!? 宮脇咲良のBTS系事務所入り 待つ時間に知っておきたい「意外な韓国語」(同)

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【参考記事】「ホームに戻った」「歴史的」 BTSソウルコン、韓国での反応 ”K-POP全体に好影響”期待も(同)

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。フォローお願いします。https://follow.yahoo.co.jp/themes/08ed3ae29cae0d085319/

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