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【大作】一発で核心に迫る質問「勝負質問」のすべて(7000字超)

横山信弘経営コラムニスト
(提供:shutterstock)

■「勝負質問」の5つの目的と重要性

「勝負質問」――。

これが、現場で絶対達成させるための重要なキーワードである。

「勝負質問」とは、一発で相手の本音を引き出したり、相手と深い関係を築くための質問だ。核心に迫る質問、とも言える。

良い勝負質問は、相手の考えや感情を引き出し、深い理解を促す。そして関係を強化することができる。

一見、単なる質問に過ぎないように見えても、実はビジネスコミュニケーションにおいて重要な役割を果たすことが多い。

今回は、過去に何度も執筆してきたテーマ「勝負質問」に関する特集だ。シチュエーション別のテンプレートとしても詳しく紹介する。

とくに、組織を動かすリーダーには不可欠な質問テクニック。ぜひ最後まで読んでいただきたい。

<目次>

■「勝負質問」の5つの目的と重要性

■「勝負質問」3つの特徴

■「勝負質問」時に、深く考えさせるための5つのコツ

■「勝負質問」で使う6つの疑問詞とその例文

■「勝負質問」を、どんなシチュエーションでどう使うか? 9つのパターン【全45例】

■「勝負質問」に使う9つの効果的な表現

■「勝負質問」を使って、一発で問題を解決する!

それでは具体的なイメージを持ってもらうために、勝負質問の主な目的を5つ示そう。

(1)「真実を探る」

表面的な意見や情報だけで判断するのは甘い。勝負質問をすることで、相手の本心や、事実の裏側に迫ることができる。

(2)「相手を自己開示させる」

人間は独特の価値観や経験を持っている。それを引き出すことで、相手の思考パターンを理解し、より深い信頼関係を築くことができる。

(3)「深い思考を促す」

多くの人が表面的な思考で満足してしまう。しかし、深い洞察はそこから得られない。勝負質問は、相手を深層に誘い、新たな視点を生み出す。

(4)「自己理解を促す」

自分自身に対する勝負質問も有効だ。自分の思考や行動のパターンを明確に理解することで、自己の成長や改善を促す。

(5)「行動を促す」

勝負質問は、相手を行動に移すためのきっかけを作る。何をすべきか、どう行動すべきかを自覚させる。

■「勝負質問」3つの特徴

それでは勝負質問は、他の質問と何が違うのか? その特徴をあらためて書いてみよう。その特徴とは、3つある

(1)「深掘りする」

勝負質問は、表面的な情報だけでなく、相手の本質的な考え方や感情、動機を引き出すためのものだ。そのためには、深いレベルでの理解を追求する。他の質問にはない特徴と言える。

(2)「直接的である」

勝負質問は、抽象的でなく具体的だ。曖昧さがないので、より直接的であると言える。この直接性は、相手が本質的な思考や感情を明らかにすることを促す。

(3)「リスクを伴う」

いっぽう勝負質問は、相手を不快にする可能性がある。敏感なトピックに触れることがあるので、リスクを伴うのだ。だからこそ、礼儀正しいリスニングを心掛けたり、十分な配慮が必要だ。

■「勝負質問」時に、深く考えさせるための5つのコツ

次に、勝負質問の目的の一つ――「深い思考を促す」をするためのコツについて考えてみたい。

そのコツを5つ書き出してみよう。

(1)「オープンクエスチョンを使う」

「はい」または「いいえ」で答えられる質問より、相手が自分の経験、感情、考えを詳しく引き出す質問を使う。だから勝負質問は、クローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンのスタイルだ。「どう思いますか?」や「なぜそう思うのですか?」といった質問は、深い洞察を引き出すのに役立つ。

(2)「具体性を求める」

抽象的な質問をすると、抽象的な答えしか返ってこない。だから具体的な質問のほうが、具体的な回答を引き出しやすいのだ。たとえば、「あなたが直面した困難は何でしたか?」ではなく、「あなたが直面した最も困難な状況は何でしたか?」と尋ねる。そうすると、より具体的な回答が得られる。

(3)「好奇心を持つ」

返報性の法則だ。好奇心を持って質問することで、相手もその質問そのものに関心を寄せてくれる。だから質問者自身が真剣に知りたいという姿勢で質問すると、相手もそれに対して真剣に考えて答えてくれるものだ。自分の興味や関心を持って質問することが、相手を深く考えさせるためのコツである。

(4)「質問の背景を説明する」

なぜその質問をしているのか、その質問の目的を明確にすると、相手はその質問に対してより深く考え、より有意義な答えをだそうとするだろう。とても重要なポイントなので、あとで詳しく解説する。

(5)「時間を与える」

回答を急がせないことが大事だ。相手が思考する時間を十分に与えるのだ。すぐに答えが出せなくても、その静寂を尊重しよう。相手が自分の考えを整理するのを待つことが大切だ。

これらのコツを頭に入れて勝負質問をしよう。そうすることで、相手が深く考え、有意義な回答を提供してくれるはずだ。

■「勝負質問」で使う6つの疑問詞とその例文

それでは、メインの「シチュエーション別の勝負質問」を解説する前に、勝負質問で使う6つの疑問詞とその例文を以下に列挙する。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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