【脱はんこ加速】「はんこ」が必要かどうかは、どのように判断すべきなのか?

(写真:アフロ)

■ダジャレ記事がきっかけで一気に加速!

「脱はんこ」の流れは、もう止まりそうにない。

知人の税理士、公認会計士、社会保険労務士、行政書士……といった、日ごろから手続き業務に勤しんでいる士業の面々も、同様の意見だ。クライアント企業の経営者たちも、

「一気にやってほしい」

と期待する。

7日の規制改革推進会議で、菅義偉首相が「脱はんこ」を明確に指示した。これを受けて翌日の8日、はんこ議連は「行き過ぎだ」と政府に苦言を呈し、二階幹事長も「反抗しろ」と述べた。

この「脱はんこに反抗しろ」という記事は、ダジャレが効いたのか一気に拡散。結果、世間から注目されるようになったが、どんなに反抗しようが、この流れはもう変えられないだろう。

「はんこ」が必要な行政手続きは、約1万1000種類あると言われている。DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性や、日本の労働生産性の低さ(OECD加盟36カ国中21位)を知らない人も、

「ゼロにしなくてもいいが、大幅に減らしたほうがいい」

と受け止めている。繰り返すが、もうこの流れは止まりそうにない。

■どのように「廃止・継続」を判断すればいいのか?

「はんこ」に限らず、すでに定着している文化・業務は、どのように「廃止・継続」を判断すればいいのか。

そのことについて、今回は解説したいと思う。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。とくに成熟企業の組織を改革することがメインの仕事である。なかなか目標が達成しない組織を変えるわけなので、現場から反発を受けるのは日常茶飯事だ。

そんな仕事を17年近くやっていると、わかってくることがある。それは、組織目標を達成できない企業は、だいたいが「成果よりもプロセス」を重視しがちということだ。

これは、約束の時間に遅刻しても、「この道を通っていく」と言ってきかない人と同じ思考パターンである。プロセスは大事だが、成果を出すためのプロセスでなければ意味がない。

しかし長い期間、その文化や業務に慣れ親しんでいると、それがおかしいことだとわからなくなってくる。

では、どうすればいいのか?

その文化や業務を知らない人たちに判断をお願いすることだ。

私どもコンサルタントは、先述したとおり組織(とくにベテラン社員)から煙たがられる存在だ。

「当社のことをわかっていない」

「うちの業界は特殊なのだから、そういうやり方は通用しないんだ」

と営業部長や工場長にお叱りを受ける。しかしだいたい、ベテラン社員が持ち出すのは【持論】だ。

だからこそ私たちコンサルタントは【理論】で武装し、説得を試みる。我々外部のコンサルタントは「わかっていない」からこその強みがあるのだ。

「なぜこの管理資料は必要なのでしょうか。その目的は何ですか」

「この組織は、どのような機能を果たしていますか。6人もいて、普段はどんな仕事をされているのですか」

我々は「わかっていない」からこそ、素朴な質問ができる。理屈に合っていない仕事や慣例を目にすると、疑問を解消したいと思うからだ。こういう姿勢を繰り返しし続けると、いったんは「混乱」したとしても、組織は徐々に変わっていく。そして1年も2年もすれば、

「今となっては、あんな長時間の会議やる意味がなかったとわかります」

「あの会議資料は、たしかに必要ありませんでしたね。お恥ずかしいです」

と大抵言われるのだ。

現実には、半沢直樹のようなテンションで立ち向かうことは難しい。柔軟な姿勢で、押したり引いたりを繰り返しながら、抵抗するベテラン勢を説得していく。それが大事だ。

■外国の識者に判断してもらおう

さて、冒頭の「はんこ」についてである。

はんこ業者はもちろんのこと、はんこ議連のメンバーも、正しい判断はできない。私たち「はんこ文化」に馴れた国民も同様だ。フェアなジャッジはできないのである。

なぜなら、私たちはすべて「中の人」である。そのため、どんなに議論しても客観的な判断はできない。

客観視する「目」を持たない私たちに議論する資格はない。では、どうすればいいのか?

先述したとおり、その文化や業務に慣れ親しんでいない人たちに判断をお願いするしかない。つまり、「はんこ文化」のない外国の識者に依頼するのだ。

「日本人じゃないんだから、はんこの重要性がわかるはずがない!」

などと反発せず、手続き業務とはどうあるべきなのか。外国の方に意見を述べてもらうのだ。「はんこ」はなくても、業務フローの概念は同じであり、どうすれば生産性がアップするのか、参考になる意見は聞けるだろう。

企業はもちろんのこと、国も栄枯盛衰である。

歴史があればあるほど、いろいろなところに「老廃物」が溜まってくる。変えるべきではない本質的なことをしっかり押さえたうえで、「手段」と呼ばれるあらゆる事柄は、時代とともに変化していくものだと捉えるべきだ。「はんこ」のみならず、あらゆる手段が、いま淘汰されようとしている、

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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