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あなたの上司が「意識高い系上司」だったらどうする?

横山信弘経営コラムニスト
(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

■ 企業の中の「意識高い系」

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。著書でもセミナーでも「絶対達成」というタイトルやフレーズを使っているため、当然のことながら意識が高い人(もしくは意識が高い風な人)が寄ってきます。

世の中には「意識高い系」という言葉があり、中身が伴っていないのにもかかわらず、意識が高いことをSNSなどを使って自己アピールする若者などを指すようです。

一般的に「意識高い系」という言葉は、嘲笑の対象として使われるようです。しかし、「意識が高い人」がからかうのならともかく、「意識が低い人」が「意識高い系」を小ばかにするのは、どうかと思います。その構図のほうが滑稽ですね。

私は、意外と「意識高い系」の人が好きです。たとえ表面的なものであっても、一定の熱量を持っているから、一緒にいると刺激をもらえるからです。

「意識高い系をあざ笑う意識が低い人」のほうが、よほど痛々しい。企業内で考えたら、わかることでしょう。

■ 企業における「意識高い系」

たとえば社長が、「今期は売上を2倍にする」と宣言したとしましょう。それに対し、

「意識が高い人」は、本気で2倍にするにはどうすればいいか熱心に考えます。そして多くの人を巻き込みながら、そのための努力を期が終わるまで続けることでしょう。

「意識高い系の人」は、社長が売上2倍にすると宣言したことに賛同します。そのために全力で取り組むと、上層部や部下などにもアピールします。ただ、言っているだけで中身が伴いません。

「意識が低い人」は、社長の「売上を2倍にする」という宣言に対して冷ややかな態度をとります。積極的に批判はしませんが、「そんなことできるわけがない」と考え、意識も行動も変えません。

この3者を比べると、わかりやすいでしょう。

「意識が低い人」が「意識高い系の人」を冷笑し、

「あいつ、社長方針に賛同している割には、何もやってないじゃないか。だいたい2倍にすればいいってもんじゃないし、バカバカしい」

などと言っている人は、組織にとってお荷物でしかありません。

■ 気を付けたい「意識高い系上司」

それでは、このような3者を、すぐに見分けがつくでしょうか。実のところ、そうでもないのです。

私どもコンサルタントがクライアント企業に入り、今期の目標を絶対達成させるための施策、行動計画などについて話しはじめると、経営幹部や中間管理職が様々な反応を示します。

目を輝かせる人は稀で、ネガティブな反応をする人も多くいます。

しかし、私は気にしません。

なぜなら、支援がスタートしなければ、誰が「意識が高い人」で「意識高い系の人」で「意識が低い人」なのか、ハッキリしないからです。

「これまで何度も組織改革をやろうとはしたが、やはり社内の人間だけでは難しい。ぜひ当社をよろしくお願いいたします」

と言っていたにもかかわらず、実際には、なかなか行動を起こさない人もいれば、

「あんな外部のコンサルタントに何ができるんですか。私は反対です。私たちが目標達成のために全力でやりますから、追い出してください」

と嘆願していたのに、数ヵ月もたつと、私たちコンサルタントを認め、一緒になって組織改革に邁進する人もいます。

ですから、何ヵ月もたたないと、誰が意識が高いのか低いのか、そして「意識高い系」なのかも判別つかないのです。

■「意識高い系上司」の特徴

「意識」という切り口で分類すると、上司は4種類に分けられます。

(1)意識が高く、結果を出す努力をする上司

(2)意識が高くても、結果を出す努力をしない上司

(3)意識が低く、結果を出す努力をしない上司

(4)意識が低くても、結果を出す努力をする上司

おそらく、多くの人は上司(4)の存在を知らないことでしょう。意識が高ければ、結果を出そうと努力すると思い込んでいるからです。ところが、意識が低くても、モチベーションが高くなくても、結果を出す人は出します。目標を達成する人は達成します。

そういう人は、目標があったら達成するまで努力するのが「あたりまえ」だと思っている人です。

「社長が言っていることは、まったく共感もてないけれど、社長方針だからしょうがない」

と後ろ向きな発言をしながら、粘り強い精神で結果を出します。当事者にとっては、朝、決められた時間に出勤するのと同じ感覚なのでしょう。それに、やることが「あたりまえ」だと本人は受け止めているので、承認欲求などもないことが特徴です。

「意識高い系」とは、真逆の価値観でしょう。

さて、先述した(1)~(4)の中で、「意識高い系上司」は、もちろん上司(2)。組織の士気を落とす上司(3)よりはましですが、マジメな部下からは煙たがられます。

部下は、上司の具体的な行動を間近で目にします。だから、上司が正しく努力しているかどうかをイヤというほど目にします。

いっぽう上層部は、たまに会うその上司の発言や態度しか目にせず、具体的な行動や努力に接しません。ですから、

「あの部長は意識が高い」

と上層部から勘違いされる点で、部下はおもしろくないでしょう。

当然、結果を求めていく私どもコンサルタントは、このような中間管理職には手を焼きます。

部下が「意識高い系」なら、上司が、

「アピールする割には結果が出ていない」

などと、ピシャっと指摘することができます。しかし上司が「意識高い系」だと、ピシャリと言ってくれる人が、組織の中に見当たりません。私たちのような、外部のコンサルタントがいない場合、「意識が高い部下」にとっては頭の痛い問題です。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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