「気付き」と「学び」って、何が違うんですか? 新入社員に聞かれたら、どう答えますか?

「学び」は自ら手に入れること(写真:アフロ)

■「気付き」と「学び」は、何が違うのか?

「気付きと、学びって、何が違うんですか?」

ある日の講演のあと、参加していた中小企業の社長が私に近寄ってきて、こう問いかけました。

「今年の新入社員に質問されたんですよ。たしかに、何が違うんだっけと思いまして」

言われてみて、ああ、そういえば、そうだな――。

私も、こう思いました。

そしてこのことをきっかけに、両者の言葉の違いを調べたり、自分なりに考えたりするようになったのです。今回は、言葉の厳密な違いはともかく、どう解釈したほうが自己成長に繋がるのかを考えながら、「気付き」と「学び」の違いについて解説します。

■「気付き」は他人から得られるが、「学び」は自分でしか手に入らない

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。多くの方々の前でセミナーや講演をすることもあり、終わったあと多くの参加者から、

「今日の研修では、多くの気付きがありました」

「今日の研修では、多くの学びがありました」

このように言われます。おそらく、「気付き」と「学び」という言葉を、同じような意味合いで使っている人は、どっちを使っても違和感を覚えないでしょう。

よくよく考えてみると、「気付き」と「学び」は、何が違うのでしょうか? 

「気付き」は他人から得られるものだが、「学び」は自分でしか手に入れることができない――。これはよく言われることです。

私もそう思います。

「気付き」とは文字どおり気付くこと。何か新しいことを発見すること、新しく意識することを指します。たとえば、

「こんな道端に花が咲いているだなんて、はじめて気付いた」

とは言いますが、

「こんな道端に花が咲いているだなんて、はじめて学んだ」

とは言いません。

「学ぶ」とは、勉強して身に付けること。主体性がキーです。たとえば、

「あの営業所の所長をしていた4年間に、いろいろな本を読んで問題解決手法を学んだ」

とは言いますが、

「あの営業所の所長をしていた4年間に、いろいろな本を読んで問題解決手法に気付いた」

とは言いません。

■「気付き」と「学び」の違い2つのポイント

「気付き」と「学び」の違いについて、私はポイントが2つあると考えています。

●受動的か/能動的か

●点か/線か

「気付き」は受動的です。他人から与えられるもの。いっぽう「学び」は能動的です。自ら手に入れるもの。

したがって先述した企業研修でいえば、1時間の講話を聴いても、1日ぐらいの研修を受講しても、ほぼ「気付き」しか得られないでしょう。「学び」を得たいなら、半年とか1年といった長期間の講座を受けるしかないのです。

「気付き」は点であり、「学び」は線で捉えるべきだからです。点で手に入れたものは泡沫的ですが、線で手に入れたものは自分の血となり肉となります。

「気付き」で手に入れたことを話しても、まるで他人の言葉を借りて喋っているように聞こえ、みずから学んだことであれば、自分の言葉で語ることができるのはこのせいです。

■ ビジネスの現場では、区別して捉えたほうがいい

企業講演を依頼されると、よく

「横山さんの情熱的な講演で、わが社の営業が何かを学んでほしい」

と言う社長がたくさんいます。しかし私は即座にこう言いかえします。

「私の講演を聴いても、気付きしか得られません。参加者の皆さんが学ぶかどうかは、その後の行動にかかっています」

と。

最近「気付き」ばかりを求め、新奇性の高い情報を探す人がとても増えています。ですから価値ある情報もすぐに飽きられ、時代遅れとレッテルを張られます。

ビジネスの現場において、本当に大切なことはそれほど多くありません。あまり「気付き」ばかり得ようとせず、いったん得た「気付き」をどのように「学び」に変換するか。

ポイントは探求心です。その物事を掘り下げて追求しようとする能動的な姿勢が、「気付き」を「学び」に変えられます。

情報に振り回されないためにも、これからの時代は「気付き」と「学び」を区別してとらえることが大事だと私は考えています。

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。メルマガ「草創花伝」は4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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