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自分を強くする「朝プレゼン」3つのポイント

横山信弘経営コラムニスト
朝、誰かにプレゼンテーションすることで強くなる(写真:アフロ)

初めから弱い人間などいない

「自分は弱い人間だ」「もっと強くなりたい」と考えている人は多い。意志が弱い、決めたことをやり切れない、すぐにラクなほうへ流される……いろいろと自分に対して不満を持っている人はたくさんいるはずです。

とはいえ産まれたときから弱い人間などいません。ですから、これまでの体験によって自分の思考プログラムに変化があったと捉えるべきでしょう。思考プログラムは過去の体験の「インパクト×回数」によってできています。偶発的な体験によって、意志の弱い、自分に自信のない思考プログラムができあがってしまったのです。

さて意志力を高めるためには「朝の習慣」を変えることが一番手っ取り早いと言えるでしょう。古今東西、多くの書籍で、その効用やメソッドが公開されています。

私は全国7ヶ所で、高い目標を掲げ、その目標を絶対達成しようとする経営者の会「絶対達成社長の会」を主宰しています。2015年からスタートし、今では全国で500名以上の会員を抱えるモンスター朝会へと成長しました。朝7時前から東京、名古屋、大阪、福岡、横浜、群馬など各会場に集まり、それぞれの目標とアクションプランをプレゼンすることが本会のメイン行事です。

はじめて参加した人の中には「早朝からプレゼンなんて」と戸惑う方もいますが、やっていくうちに馴染んでくるようです。「ふだんは言えない高い目標を口にすることができた」「朝からみんなの前でプレゼンするのは気持ちいい」「何か新しいことができる自信がついた」と多くの方が口にします。

「朝プレゼン」とは?

プレゼンテーションとは、つまり「発表」のことです。朝から何かを「発表」することを心掛けるのです。

さてあなたは「発表」というと、どのようなことを思い浮かべますか? 結婚の発表とか、合格の発表とか、そのようなインパクトのある出来事を想起する人も多いでしょう。これまで知らせてなかったこと、黙っていたことを公表すると、刺激的なプレゼンになるはずです。そうでなくても「発表」という言葉のニュアンスには、何か新しいことを表明する、公にするという意味合いが含まれていることは間違いありません。

先述したとおり、思考プログラムを変えるには「インパクト×回数」を意識すべきです。したがって、朝から何か新しいことを発表すると、それなりに自分の思考へインパクトを与えることができます。ですから、朝から何かを誰かにプレゼンすることを私はお勧めします。

「決定回避の法則」とは?

自分に弱い人は、「やろう、やろう」「やりたい、やりたい」「やるべきだ、やるべきだ」と口では言っていても、なかなか行動することができません。何か思い立っても、「明日考えよう」「忙しいから来週にでも」「このシーズンはなんだかんだで時間がない。来月に時間をとってじっくり考えよう」……などと言って、結局は先延ばししてしまいます。

いま決断しないことを決断することを「決定回避の法則」と呼びます。決定回避ばかりしていると、そのような習慣(=思考プログラム)ができあがっていきます。意志力は習慣です。意志力がある人は、「決断癖」がついていることを忘れてはいけません。

自分に強くなりたいと思ったら、ストレス耐性を上げていく努力が必要です。しかし「ストレスに強くなれ!」と心構えを言っていても仕方がありませんから、誰でもストレス耐性が高くなる時期、時間帯を選ぶことを意識します。

ストレス耐性の高い時期は、何かの「節目」です。「誕生日」「入学式」「新学期」「入社日」「結婚」「出産」「会社創立記念日」「期首」そして……「新年度」。

結婚や出産、入学、入社、昇進といった大きな「節目」は、当然のことながら、とてもストレス耐性が高い時期です。ぜひ、なんでもいいので新しい何かをやろう! と決断することを勧めます。「自分は自分だから、これまでと同じようにやっていこう」などと逃げてはいけません。「決断癖」をつけるうえでも、めったにないチャンスだからです。

しかし、結婚や出産、昇進……などといった機会は、なかなか訪れないものです。もっと手軽に、誰でにでも訪れる「節目」に目を向けます。それは「年のはじまり」「月のはじまり」「週のはじまり」「1日のはじまり」です。したがって「1日のはじまり」である【朝】は回数を重ねるうえでも絶好のタイミングなのです。

「はじまる」は自動詞であり、「はじめる」は他動詞です。何か新しいときが「はじまる」というのは、自動的に勝手にはじまる、というニュアンス。いっぽうで「はじめる」は目的語が必要。目的をもって自分の意志ではじめることが大切です。なかなか自分の意志では新しいことをはじめられない人は、何か別のことを拠り所にしましょう。自動的にはじまる何かに決断のタイミングを委ねるのです。

したがって、何か新しいことを「はじめる」には、何か新しいことが「はじまる」とき、と覚えましょう。

だから何か新しいことが「はじまる」ときに、何か新しいことを「はじめる」ためのプレゼンをするのです。

「朝プレゼン」3つのポイント

プレゼンする内容は「新しいプロジェクトを作る」「新商品を開発する」「難関な資格にチャレンジする」といった、インパクトのある内容でもいいですが、日常の些細なことでもいいのです。内容はたいしたことがなくても、「プレゼン」することそのものがインパクトのある行為だからです。

ただ、プレゼンは通常、誰かに向かってするものです。そしてその「誰か」を見極めることが大事です。

プレゼンする相手は、ポジティブでチャレンジ精神がある人に向けて行うようにしましょう。たとえば奥様に対して、「今日は職場の上司に積極的に声をかけようと思う。会議中でも積極的に発言するよ」と言ったとして、次のような反応が返ってきたらどうでしょうか。

「朝忙しいときにそんなこと言われても知らないわよ。はやくご飯食べて会社行く準備したら?」

「会議中に発言したら、面倒なこと頼まれたりしないの? 会議中は黙って座ってたほうが私はいいと思う」

これでは、何か新しいことをしたい、自分の意志力を高めたいと思っているのに「水を差された」感じになります。

「頑張って! 応援してるよ。今日の夜、どうだったか教えてね」

せめて、これぐらいのことは言ってほしいですよね。

フェイスブックなど、SNSで繋がっている人がいるのなら、その人たちに向かってプレゼンするのもいいでしょう。LINEなどで特別なグループを作ってもかまいません。特定の仲間がいなければ、不特定多数の人に向かって投稿するのもいい。多くの人から「いいね!」をもらったり、肯定的なコメントがもらえることも多いでしょう。

周囲にそのような方が見つからなければ、未来の自分に対してプレゼンしてみましょう。過去の自分(弱い自分)にプレゼンしても「どうせできないよ」「無理するな」「いつもそんなこと言ってるけど、なんだかんだ言ってやらないじゃないか」という反応があるだけです。ですから「未来の自分」を相手にプレゼンするのです。

まとめると「朝プレゼン」のポイントは3つ。

1.新しいことがはじまる「朝」にプレゼンする

2.何か新しいことをプレゼンする

3.ポジティブに受け止めてくれる人にプレゼンする

プレゼンした後は、自分の心、体が高揚しているかどうかを確認します。自分の気分を高めてくれるプレゼンだったかどうかを検証することが大事です。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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