ビジネス書の「目次」を精読して、論理思考力を身に付ける3つのテクニック

ビジネス書の「目次」を精読しよう!(写真:アフロ)

ビジネス書を読む2つの目的

ビジネス書を読む場合、目的は2つだと私は考えています。

(1)刺激をもらって元気になる

(2)知識やノウハウを身に付ける

(1)のタイプの人は、仕事のダンドリであったり、メールの書き方であったり、リーダーシップであったり……どんなテーマの本を読もうが、読み終わってからの言動は同じです。

「この本、すごくタメになった。明日から、この本に書いてあったことを参考にしてやっていこう」

このように思うだけ。ところが実際はほとんど本の通りに行動を変えることはありません。一般的なビジネス書は、「資格試験用の参考書」や「実務書」とは異なるため、自己啓発的な要素が多分に含まれています。ビジネス書を読んだあとに、「ようし、やろう」「何だか明日から頑張れる気がする」という気持ちになるのは、このためです。(だからビジネス書をたくさん読む人は前向きになるのです)

いっぽうで(2)の、知識やノウハウを本当に身に付けたいと考えて読む人もいます。このように目的が明確な人は、本の読み方が根本的に違います。最強の学習方法「水平読書」は、研修やセミナーを受けるよりスキルアップする!で書いたように、本に書かれていることをすべて読まず、必要な個所をピックアップし、拾い読みします。

このときに重要なのが「目次」の読み方です。

目次の読み方

「水平読書」を解説した記事にも書きましたが、まず本を買うときは、必ず書店で買いましょう。ネット書店でもいいですが、買う前に必ず目次を精読してもらいたいのです。目次を読み解くテクニックは3つです。

1)読者の目線で書かれているか

2)手に入れたい知識が書かれているか

3)論理的に整理されているか

まず、読者目線を無視した自己陶酔型の目次を見つけたら、それがどんな名著であろうがパスしましょう。たとえば、「象とネズミ」「ロバートとアンダルシアの風と」……のような小説風な目次。「ニューヨークの夜、私が出会ったこと」「あれは私が23歳のときでした」……のような物語調の目次。「BECOMING」「SCREENING」「REMIXING」……といった、読まないことには何がなんだかわからない目次のことです。

自己陶酔型の目次だと、その本のどこに、自分の知りたいことが書かれているかわかりません。

「知識やノウハウを身に付けたい」という欲求と、「その本を読みたい」という欲求は区別しましょう。自分が身に付けたい知識やノウハウがハッキリしているのであれば、最初から最後まで読むのが当然だとして作られたビジネス書は敬遠するのです。資格学校が作っているテキストを思い浮かべてみてください。テキストの最初には、読者に配慮した明確な「地図」が必ずあります。目次はビジネス書の「地図」。この「地図」がぼやけているようでは、(2)の学習目的には向いていないと言えます。

次に、当然のことながら、目次に、自分が身に付けたい知識やノウハウが書かれているかをチェックします。なければ、どんな話題作であろうが、好きな著者であろうが、パスです。

最後に、論理的に整理されているかどうかもチェックします。目次のタイトル、見出しの順番に一貫性がないビジネス書をたまに見かけます。このような本は「拾い読み」に適していません。散らかっている感の強い目次を見かけたらパスです。

身に付けたい知識やノウハウが、一冊にしか書かれていないような極めて特殊なものならともかく、多くのビジネス書に書かれてあるような普遍性の高いものであれば、目次を見て取捨選択すればよいと割り切りましょう。

目次チェックの方法

ビジネス書を買ったら、さらに落ち着いて目次を精読します。本文のどこを読むかの手掛かりを決めます。ポイントは3つです。

■ 身に付けたい知識やノウハウが書かれている見出しだけチェックする

■ 見出しに「結論」が書かれていたら、ページにマーキングしない

■ 見出しに「結論」を匂わすキャッチコピーが書かれていたらページにマーキングする

まず、どんなに興味深いことが見出しに書かれてあっても、このビジネス書を買ったときのことを思い出し、いま自分が身に付けたい知識やノウハウだけが書かれている箇所だけをチェックします。私の場合、見出しの上の部分に赤ペンで○を描きます。

次に、見出しに「結論」が書かれていたら、それ以上何もしません。たとえば、

ダンドリのコツは、仕事の量と時間と手順をしっかり把握すること……78

と書かれていたら、もう読む必要がありません。この一文にうまくまとまっているからです。ダンドリを良くするためには、仕事の「量」と「時間」と「手順」をしっかり把握することだな。確かにそうだよな、と学習すればいいのです。ページ数を見て、この項目に40ページぐらい費やしているのであれば、細かい内容が本文に書かれているでしょう。しかし5ページぐらいで次の見出しがあるなら読むまでありません。この一文に内容が要約されているのです。

ダンドリのコツは、仕事の量と時間と手順をしっかり把握すること……78

この次に、

仕事の量を見える化するスケジューリングとは?……81

と書かれていたら、ここは読みます。さらに、

仕事にかかる時間を4つの切り口で算出する……88

とあれば、ここも読むべきでしょう。

したがって「ダンドリのコツは、仕事の量と時間と手順をしっかり把握すること」という部分は、後述する内容の要約文ですから、このような「結論」が書かれている目次を見つけたらチェックするだけでよいのです。

率先して読むべき箇所は、キャッチコピーのようになった見出しです。

どうして「方眼ノート」がダンドリ術を鍛えるのか?……29

ダンドリが悪い部下を劇的に成長させる3つのコツ……45

このような見出しは、キャッチコピー的です。読者の脳に空白を作ります。「どうして方眼ノートがダンドリを良くするの?」「ダンドリが悪い部下を成長させる3つのコツって何?」と知りたくなります。ですからこれらの見出しページにマーキングしていきます。私の場合は、赤ペンでページ数に○をつけます。2回ほど目次を精読し、マーキングされたページだけに「ドッグイヤー」をつけていきます。本の右端を折るのです。本を折りたくない人は付箋紙を貼ってもいいでしょう。

それらの作業をすべて終えてから、「ドッグイヤー」のあるページ周辺を読みます。本文を読んでいるうちに、他のページも読むべきだと受け止めたら、ドンドン読み進めていきます。ただし重要なことは、決して最初に決めた「身に付けたい知識やノウハウ」以外のところに意識を向けないことです。

なぜ「目次」を精読すると論理思考力がつくのか?

買ったビジネス書の本文を読むことで、いろいろな知識やノウハウは身に付くでしょう。いっぽうで、目次を精読するプロセスにおいても知らぬ間に勉強になっていることを知ってほしいと思います。

目次全体を眺め、頭に入れることで、このビジネス書のどこに自分の知りたいことが書かれているのかを意識するようになります。このことで「俯瞰力」が鍛えられます。章のタイトルや見出しとの関係、その順番を知ることで、内容を体系的に整理することができます。そして何より、自分が身に付けたい知識やノウハウだけを本からピックアップすることで「一貫性」を保とうとする力が身に付きます。

論理的であるということは、一貫性があること、一本筋が通っているという意味です。

ビジネス書を読むとき、論理的に整理された目次を区別し、その目次を精読することで、自分自身で知識やノウハウを整理することができます。論理思考力を鍛えるためにも、ビジネス書の目次を精読してみましょう。

(※このやり方は読書そのものを楽しむことができないため、読書を楽しみたいときにはお勧めしません)