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「ホワイトカラーエグゼンプション」に備えて。家に仕事を持ち帰らないための基本的な考え方

横山信弘経営コラムニスト
家に帰っても仕事のことで頭いっぱい、というのも……(写真:アフロ)

労働時間の長さではなく、成果による評価・処遇をすべきという考え方「高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラーエグゼンプション)」。現時点で対象者は「年収1075万円以上」と定めていますが、対象が誰であれ、この制度が広く導入されるかどうかはもう関係なく、いまや長時間労働を奨励・容認する風潮は完全に時代錯誤となった感があります。

とはいえ、時間がかかるものはかかるわけだし、やらなければならない仕事が消えてなくなるわけではない。物流や工場で働く従業員ならともかく、オフィスで働くホワイトカラーたちは、行き場を失った作業をパソコンに詰め込み、家に持ち帰って仕事を片付けるという手段に出るかもしれません。というか、そういうことをやっている従業員はたくさんいることでしょう。

とはいえ、仕事は職場でやるものであり、基本的に家に持ち帰るものではありません。それでは、どうすれば仕事を家に持ち帰らないようにできるのか。基本的な考え方として、仕事を持ち帰る場所を「家」にしなければいいのです。

定時内に仕事を片付けることができず、どうしても家に持ち帰られなければ終わらない、というのであれば、翌朝、早く出社して片付けましょう。家に帰り、部屋着などに着がえてしまうとリラックスしてしまい、本来は1時間で終わる仕事も2、3時間かかってしまうことがあります。「期限」を決めることができず、エンドレスに仕事をしてしまうことさえあります。

ですから、翌朝1時間ぐらい早く出社し、まだ誰もいないオフィスで集中して処理するのです。始業時間という絶対の「期限」がありますから、否応なく集中力は高まります。自然と思考ノイズは遮断されることでしょう。

問題なのは、「終わらなかったら家でやればいい」という逃げを心に抱いたまま仕事をすることです。「絶対に家では仕事をしない」と覚悟を決めれば、オフィスにいる間に集中して業務を処理する習慣が身につきます。パソコンを持ち帰らない。上司からの連絡も受けないよう、携帯電話やスマホも職場へ置いていく、という荒技もいいですよね。特殊な仕事でない限り、パソコンやスマホを家に持ち帰らないことで上司に怒られることはないでしょうから。

終わらない仕事は「家」ではなく、「翌朝のオフィス」に持ち帰るという発想で、30分でも1時間でも多く、時間外労働を減らしていきましょう。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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