悩みを打ち明けて、かえって傷つく「危険人物」の特徴

人には、それぞれ抱えている悩みがあります。その悩みの「レベル感」はさまざまで、本来は他人と比較できるものではありません。しかし、それを絶対値として比較し、評価しようとする人がいます。そういう人に悩みを相談しても、悩みが解消されるどころか、傷つくだけです。

たとえば、

「私のお父さん、いつも仕事が遅いんだ。夜10時過ぎに帰ってくることもある」

「何言ってんの。私のお父さんなんて出張ばかりで、週末にしか帰ってこないんだから」

とか、

「お金が全然ないんです。携帯電話の通話料を支払うお金もなくなってきました」

「そんなの大したことないだろう。俺が若いころは、携帯電話すらなかったんだから」

などと、相手の悩みと自分の悩みとを比較して、「あなたの悩んでいることなど、悩みに値しないことなんだ。それに気づきたまえ」と諭されても、悩みが解消されることはほとんどありません。このように言われたら「そうだよね。私の悩みなんて大したことないね」と言って苦笑いするしかありません。相手は、

「そうだよ。そんなことでクヨクヨしてたら、これからやっていけないんだから」

と、勝ち誇ったような表情で言い返すことでしょう。まさに「身もふたもない」とはこのことです。

やたらと「不幸自慢」をする人がいます。自分の不幸を訴え、「どんなに大変か」「どんなにツラいか」「どんなに苦労しているか」を主張し、相手に慰めてもらおうとする人に対して、「自分のほうがもっと大変で、ツラく、苦労している」と言い返す人です。

相手から慰めの言葉を期待する人にとっては、まるで「返り討ち」にあったかのような衝撃を受けることでしょう。あまりにこういう経験が多い人は、自分の不幸を「盛る」ことを覚えていきます。

「私のお父さん、全然家に戻ってこないんだ。夜10時に帰ってくるときはいいほうで、この前なんか朝になってから戻ってきた。帰って来ても玄関で寝ているときとか、なんか意味不明な言葉を叫びながら壁に頭をぶつけるときもあるし、お母さんとも激しく口論しているときをたまに見かける。すごくお父さんが心配。昔はとっても優しい人だったのに、これからどうなっていくんだろう……」

このように告白されたら、「何言ってんの。そんなの大したことないじゃん」とは、なかなか言えません。

「え、本当に? 大丈夫……?」

「うん……。私、最近お父さんが帰宅するまで眠れなくって、体調もよくないの。家族が崩壊するんじゃないかって思うと不安でどうしようもなくなって……」

「なんか最近、顔色悪いなって思ってたんだよね。すごく心配……」

「ありがとう。私もどうすればいいかわからない」

あまりに不幸自慢で「返り討ち」にあっていると、絶対に負けない不幸を創造して、強引にでも相手に同情させてやる、慰撫(いぶ)させてやる、と強い気持ちを持つ人もいることでしょう。しかし、このような空想は事実をわい曲しているため、自分の悩みが解決することなどあり得ません。

したがって、どうしても自分の悩みを相談したい、誰かに慰めてもらいたい、と考える人は、「不幸自慢」をする人に打ち明けるべきではないのです。傷つくだけです。

誰かに聞いてもらいたい悩みがあったら、「受け入れる」ことはできなくとも、「受け止める」ことをしてくれる人を探しましょう。自分の体験談と比較しようとする人は、本当の意味で「相手のことを考える」ことができない人です。もし悩みを相談できる人が身近にいなければ、誰にも打ち明けないことです。てっとり早く身近な人に相談し、傷ついていくうちに、別の悩みが膨れ上がっていく可能性があるからです。