「涙活」に最適! タイのCMがこれほど受けるワケ
昨今、涙を流すことによって心のデトックスを図る「涙活(るいかつ)」が流行しています。泣くことによって、心の中の汚れたものを洗い流す効果があるのでしょう。セロトニン研究の世界的権威、有田秀穂氏の書籍にも、涙を流すことで神経伝達物質「セロトニン」が分泌されると書かれています。交感神経から副交感神経へとスイッチすることにより、心の状態管理(ステイトコントロール)がしやすくなるのだと思います。
さて、「涙活」に効果があるということで以前から注目されている動画が「タイのCM」です。ユーチューブの動画は膨大な回数、世界中で再生されています。いろいろなバージョンが存在し、「日本語字幕」が付与された動画も登場しています。
3~4分という短い時間の中に、映画一本分観たぐらいの感動と泣ける要素が詰め込まれているからでしょう。また、こういう動画に涙する人はおそらく、忙しい日々の生活のせいでどこかに置き忘れた大切な記憶を、これらのCMによって無意識のうちに呼び起こしてしまうのだと思います。
「刺激馴化(しげきじゅんか)」という言葉があります。刺激も慣れてくれば、刺激を刺激として受け止められなくなっていくものです。辛い物を食べて続けていると、もっと辛いもの、もっともっと辛い物を食べたくなるものです。これが「刺激馴化」です。今の生活がどれほど恵まれているか、そのことに目を向けられない人は、現状を「あたりまえ」だと感じ、もっと刺激がほしい、もっと豊かになりたいと思ってしまいます。
「あたりまえ」の反対は、「ありがたい」です。
今を「あたりまえ」だと思い続けていると、感謝の気持ちが薄れていきますね。
世の中には、涙を誘うを動画や映画はたくさんあります。泣ける小説、漫画もいくらでもあります。いっぽうタイのCMを観ていると、単純に涙が出る、というだけでなく、謙虚な気持ちが芽生えてきます。「あたりまえ」の日常に対する感謝の気持ちが湧き上がってきます。もっと家族を大切にしたい。身の回りにいる大事な人へもっと「ありがとう」と伝えたい、と思えてくるのです。
個人的に「タイのCM」で泣ける! と感じた3本の動画をご紹介します。涙もろい人は特に(1)を人前で鑑賞するのはとてもリスクがありますので、気を付けたほうがよいでしょう。(動画タイトルは筆者が勝手につけました)
(1)「耳の不自由な父と娘」(YouTube)
(2)「手渡すということが最高のコミュニケーション」(YouTube)
(3)「トイ母さんと子どもたち」(YouTube)
泣けるか、泣けないかは人それぞれですが、副交感神経を優位にさせ、緊張状態から解放される作用があるわけですから、「涙もろい」人はそれだけ得なのかもしれません。