「やることリスト」と「やらないことリスト」と、どちらが効果的か?
「やらないことリスト」とは?
世の中には「やることリスト」だけでなく「やらないことリスト」と呼ばれるリストがあることをご存知でしょうか。
「やることリスト」とは【ToDoリスト】とも呼ばれ、やるべきタスクを管理するために活用するリストのことです。手帳やスマートフォンで管理する人が多いことでしょう。
いっぽうで、「やること」ばかりに目を向けないで「やらないこと」もキッチリ頭に入れておこうという考え方があります。そのときに活用するのが「やらないことリスト」もしくは【NotToDoリスト】と呼ばれるリストです。
「23時以降にテレビを観ること」
「夜にスナック菓子を食べること」
「午前中にメールチェックすること」
「帰宅前にコンビニへ立ち寄ること」
こういうことをリスト化するのが「やらないことリスト」を使う目的です。多くの場合は意識をしないと、いつの間にかやってしまうことが、この「やらないことリスト」に加えられるはずです。どちらかというと悪い習慣。依存しかけている事柄がリストアップされます。
「やらないことリスト」は効果があるのか?
「やらないことリスト」に書かれていることは、前述したとおり、意識的にやらないでおこうとする何かです。それでは、このリストはいつ確認するのでしょうか?朝一番に確認して心に留めればいいのでしょうか? それとも、何かタイミングを決めておいて、その都度チェックすればいいのでしょうか?
これが「やることリスト」であれば簡単です。たとえば以下の事柄が記してあったとします。
「A社の生産管理部長へ電話」
「工程表の作成」
「12月14日の福岡出張のホテル予約」
「クリスマスケーキの予約」
「サッカー中継の録画」
このリストを朝一番に確認し、作業が終了すればリストから削除したり、赤ペンで印をつけたりすればよいのです。しかし「やらないことリスト」となると、ついついやってしまうことをやらないように自制するためのチェックリストであるため、終わりがありません。定期的に心がけることなので、1日の終わりにすべてチェックし、「今日も全部やらなかった」とか「今日は●●はやらなかったが、▲▲はやってしまった」と書き込むのでしょう。しかし習慣化していることを、やらないようにするのは至難の業です。簡単ではありません。
実際に私も過去何度もチャレンジしたのですが、いつも長続きしませんでした。私の意志が弱いからかもしれませんが、やはり人間って「増やす」のは簡単ですが「減らす」のは、そう簡単ではないのでは、と思います。「やるべきことを、やる」と「やるべきでないことを、やらない」とでは、根本的に対処方法が違うからです。
「やることリスト」のみで「やらないこと」を制御する
そこで私がお勧めするのが、「やることリスト」のみで「やらないこと」を制御する方法です。
時間は有限です。「やることリスト」が多ければ、「やらないと決めたのに、ついつい誘惑に負けてやってしまうこと」ができなくなるのです。このとき必ず明確に決めるべきことは「END」の時間です。仕事であれば退社時間。家にいるときであれば就寝時間です。その「END」さえ決めて、それまでの時間内に「やること」をリスト化して詰め込めば、「やらないことリスト」に明記しなくとも、自然とできなくなります。
「やること」と聞くと、何らかの作業を思い浮かべる人がいます。それに、とても忙しい生活を強いられる気がするかもしれません。しかし、反対です。自分がやりたいこと、楽しみたいこと、ボーっとしたいことも全部「やることリスト」に入れてしまえばいいのです。「録画したテレビ番組の鑑賞」「家族との団らん」「子供と風呂に入る」「車の雑誌を読む」……などなど。とにかく、やりたいことでもないのに無計画にダラダラとすることを多くの人は「やらないことリスト」に入れるものですから、それをしないようにコントロールするために可処分時間を「やることリスト」で埋めてしまうのです。
無意識にやっていることを意識的にやめることは極めて難しい。依存していることはなかなか止められません。その代わり「やること」に対しては意識をフォーカスすることができます。だからやりやすいのです。
「やらないことリスト」を作ってもなかなか定着しない人は、「END」の時間を明確にしたうえで「やることリスト」に書くことを増やしてみてはいかがでしょうか。「やること」を増やせば増やすほど時間効率が上がっていくという不思議な感覚を覚えることでしょう。