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配当も「見える化」 マネーフォワードに月額980円の新プラン「資産形成アドバンスコース」

山口健太ITジャーナリスト
資産管理向けの新プラン(マネーフォワード提供資料より、筆者撮影)

家計簿アプリで知られるマネーフォワードが、株式投資の資産管理を想定した新プランを発表。2月27日より提供を開始しました。

既存のプレミアムより高額な月額980円のプランとなっていますが、どんな人に向いているのでしょうか。

「配当」を見える化する新プラン

個人向けアプリ「マネーフォワード ME」は、銀行やクレジットカードと連携し、お金の流れを「見える化」する機能を提供。利用率・認知率は2022年10月の調査でNo.1だったといいます。

利用者数は2022年11月末に1400万人、課金ユーザー数は40万人を突破。2022年12月には無料会員が連携できる口座数を4件に減らしたことで話題になりましたが、課金ユーザーは1万3000人の純増と大幅に伸びたとしています。

そして今回、新たに加わったのが月額980円の「資産形成アドバンスコース」です。月額500円のプレミアムコース(スタンダードコースに名称変更)の機能はすべて含みつつ、480円を上乗せしたプランとなっています。

マネーフォワード MEの新しい料金体系(マネーフォワードのプレスリリースより)
マネーフォワード MEの新しい料金体系(マネーフォワードのプレスリリースより)

これまでの月額500円のプランでも、複数の証券口座を登録し、合計の資産額や値動きを見える化するといった機能は利用できます。

それに加えて月額980円の新プランでは、株式の配当金や投資信託の分配金の履歴表示、国内株式、米国株式の業種別内訳表示、タグ付けによる分析やポートフォリオのグラフ表示といった機能が加わっています。

配当金の推移や内訳を表示する機能(マネーフォワード提供資料より、筆者作成)
配当金の推移や内訳を表示する機能(マネーフォワード提供資料より、筆者作成)

提供に至った背景としては、ポートフォリオ管理の煩雑さを挙げる声があったといいます。具体的には、「Excelのシートを自作している」とか、「管理しきれないので取引できる銘柄を絞っている」といった声を挙げています。

これに対して新プランは、複数の個別株や投資信託を運用している人に向けた機能といえます。これから投資を始める人というよりは、すでに投資をしている人がさらに投資を楽しめるサービスと位置付けているようです。

資産形成に特化したアプリとして、マネーフォワードは野村證券と共同で「OneStock」を開発しています。その違いについては、「今回の新プランはマネーフォワード MEとして価値を拡大することを狙ったもの。特に、配当にフォーカスしている点でOneStockとは使い勝手の違いがある」(マネーフォワード ホームカンパニー 執行役員COOの木村友彦氏)と説明しています。

料金体系については、アップルやグーグルのアプリストア経由でもほぼ同じ価格を維持しています。最近では手数料とみられる3割程度を上乗せするサービスも増えていますが、「決済経路によって価格に上乗せをして値上げをすることは考えていない」(木村氏)としています。

980円の価値はある?

資産運用をしている人の中でも、配当や分配金の収入は生活費に組み込んでいる人も多いでしょう。その場合、家計簿アプリであるマネーフォワードとの相性の良さを感じるところです。

こうした家計簿アプリでは、複数の口座にまたがってお金の流れを管理することで、無駄を見つけることができれば節約につながります。

しかしその有料プランでは、「節約するためにお金を払う」ことになるため、払ったお金以上の節約効果を得られるかが重要といえます。

配当を重視する投資家の場合、月額980円の元を取るにはどれくらいの資産額と利回りが必要かすぐに計算できるので、その判断はよりシビアになりそうです。

一方で、資産管理の作業を時給換算してみると、意外と大きなコストがかかっている可能性があります。その場合、お金を払ってツールに任せた方が合理的という考え方もありそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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