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外貨預金の常識を覆す、「auじぶん銀行」のポイント還元に驚き

山口健太ITジャーナリスト
auじぶん銀行が優遇プログラムを刷新(auじぶん銀行提供画像)

auじぶん銀行が、2022年4月にステージ制の優遇プログラム「じぶんプラス」をリニューアルします。Pontaポイントの付与や手数料の無料枠拡大により、2022年のポイント経済圏争いにいち早く名乗りを上げる形になりました。

銀行取引やサービスの利用に応じて手数料などを優遇するプログラムは、ネット銀行各社が競っています。auじぶん銀行の「じぶんプラス」では、2022年4月から4段階のステージ制となっています。

ステージが上がると特典が増えるのはもちろんですが、口座を開設するだけで適用される「レギュラー」ステージでも、ATMからの引き出しが月2回、他行への振り込みが月3回まで手数料無料になり、これまでより大幅に改良されます。この基本的な無料枠だけでも口座を開く価値がありそうです。

給与振り込みと口座引き落としを設定している人なら「シルバー」ステージになり、さらに無料枠が拡大。残高にかかわらず、メインバンクとして活用している人なら上位ステージになりやすい仕組みで、若い世代にも優しいといえます。

携帯キャリアのブランドからは囲い込みを連想してしまうところですが、auの金融サービスは全キャリア対応をうたっています。新プログラムにも特にauの携帯電話ユーザーを対象とした優遇はなく、他キャリアのユーザーも安心して使い続けることができそうです。

ステージ判定において「au PAY」残高へのチャージはプラス要素となっているものの、これはPayPayなど他社の決済サービスへのチャージでもOK。経済圏を越えたオープンな連携というトレンドを踏まえている印象です。

外貨積立のポイント還元に驚き

ステージごとの特典内容の中で、筆者が驚いたのは外貨積立に対するポイント還元です。「AI外貨自動積立」や「外貨自動積立」に対して、1000円ごとに1〜15ポイント(上限あり)を還元するといいます。

外貨積立へのポイント還元が大きい(auじぶん銀行提供画像)
外貨積立へのポイント還元が大きい(auじぶん銀行提供画像)

外貨預金で気になるのは手数料です。auじぶん銀行では円からの預入時は無料、円に戻す際に米ドルなら1ドルあたり25銭がかかります。比較的良心的な設定ですが、さらに安い銀行もあります。いずれにしても外貨預金は円建てで見ればマイナスからのスタートになるというのがこれまでの常識でした。

auじぶん銀行における米ドル取引の例。預入と払戻の差額25銭が手数料となる(auじぶん銀行のWebサイトより)
auじぶん銀行における米ドル取引の例。預入と払戻の差額25銭が手数料となる(auじぶん銀行のWebサイトより)

しかし新プログラムでは、外貨を自動積立する設定によりシルバーでは0.5%、最上位のプレミアムでは1.5%に相当するPontaポイントが付与されます。auじぶん銀行に確認したところ、「預入金額や通貨やステージ等によっては、払戻時の手数料を上回る量に相当するポイントとなるケースもございます」(広報部)とのことです。

もちろん、他の外貨建て商品と同じように、利益を得られるかどうかは為替レートに大きく依存します。2021年は円安方向に動いたことで利益を出しやすい相場でしたが、もし2022年に円高方向に動けば、預入金利やポイント還元を大きく上回る損失を被る恐れがあります。

とはいえ、ポイント還元が手数料を上回ることで、最初からプラスで始められるというのは外貨預金としては画期的です。外貨の積立を始めたい人、「ポイ活」が好きな人には楽しみなニュースであると同時に、2022年4月の開始までに他行が対抗策を打ち出してくるか注目したいところです。

追記:

auじぶん銀行は2023年5月1日にポイント加算条件を一部変更することを発表しました。外貨自動積立については以下の点が変わります。

・前月または当月に外貨から円への払戻取引があった場合は加算対象外に

・加算対象となる合計積立金額を上限10万円から5万円に変更

https://www.jibunbank.co.jp/announcement/2023/0315_01.html

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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