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筒香嘉智の前にNPB→MLB→NPBの野手は「NPB復帰1年目」にどんな成績を残したのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智 Mar 12, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月16日、横浜DeNAベイスターズは、筒香嘉智と契約の合意に達したことを発表した。日本プロ野球に続いてメジャーリーグでプレーし、そこから日本プロ野球へ戻った日本人野手は、筒香が14人目となる。直前の13人目は、秋山翔吾(現・広島東洋カープ)だ。

 秋山は、埼玉西武ライオンズを退団した後、シンシナティ・レッズとサンディエゴ・パドレス――パドレス時代の出場はAAAの16試合――を経て、広島東洋に入団した。

 秋山らと違い、田口壮田中賢介川﨑宗則青木宣親(現・東京ヤクルト・スワローズ)は、退団したのと同じ球団に復帰した(渡米前後にプレーした球団ではなく、渡米前後に所属した球団とすると、中村紀洋も同じ球団)。筒香も、こちらのパターンだ。

 これまでの13人が、渡米直前と復帰1年目、メジャーリーグの球団と契約する前のシーズンと日本プロ野球に戻ったシーズンに記録したスタッツは、以下のとおり。

筆者作成
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 復帰1年目を渡米直前と比べると、1人目の新庄剛志/SHINJOは、ほぼ同水準のスタッツを記録している。両シーズンとも100試合以上に出場した選手では、井口資仁城島健司、田中の復帰1年目も、渡米直前に近い。

 一方、松井稼頭央は、復帰1年目も二塁打は34本と多かったものの、他のスタッツは、渡米直前よりかなり見劣りがした。

 青木の復帰1年目は、渡米直前を上回った。もっとも、青木の渡米直前は、例年より低調だった。例えば、出塁率は、2005~10年の6シーズンとも.385を超えていたのに対し、渡米直前の2011年は.358にとどまった。復帰1年目の2018年に記録した出塁率.409は、2005~10年のトータルとほとんど変わらない。この6シーズンの出塁率は.411だ。

 西岡剛は、青木とは逆。2005~09年の出塁率は5シーズンとも.370未満だが、渡米直前の2010年は.423を記録した。復帰1年目である2013年の出塁率.346は、2005~09年のトータル出塁率.353とそう違わなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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