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ようやく球団が決まったこの投手はローテーションに入る!? エンジェルスで先発転向。昨年はノーヒッター

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイケル・ロレンゼンと娘 Aug 9, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ようやく、マイケル・ロレンゼンの球団が決まったようだ。3月20日、ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールらが、テキサス・レンジャーズとの契約合意を報じた。1年450万ドルに、最高250万ドルのインセンティブ(出来高)がついているという。

 メジャーリーグ1年目の2015年に、ロレンゼンは、27試合に登板した。そのうちの21試合は、先発マウンドに上がった。けれども、翌年以降の6シーズン(2016~21年)は、リリーバーとして投げた。このスパンの先発登板は、2018年の3試合と2020年の2試合。リリーフ登板は、263試合を数えた。

 2021年のオフにシンシナティ・レッズからFAになったロレンゼンは、ロサンゼルス・エンジェルスに入団し、先発投手に戻った。先発18登板で防御率4.24を記録し、リリーフ登板はなかった。

 デトロイト・タイガースとフィラデルフィア・フィリーズで投げた昨年は、シーズン終盤にローテーションから外され、リリーバーとして4試合に投げたが、それまでは先発25登板で防御率4.06。タイガースでは、先発18登板で防御率3.58を記録し、移籍後2登板目の8月9日は、ノーヒッターを達成した。上の写真は、その試合後だ。移籍前には、オールスター・ゲームに初めて選ばれた。

 レンジャーズは、ロレンゼンをローテーションに加えるつもりだと思われる。

 ローテーションの5枠中4枠は、ネイサン・イオバルディジョン・グレイアンドルー・ヒーニーデイン・ダニングで埋まっているが、最後の1枠は定まっていない。

 ジェイコブ・デグロームと新加入のタイラー・マーリーは、それぞれ、昨年6月と5月にトミー・ジョン手術を受けた。2人とも、復帰は夏以降だろう。また、マックス・シャーザーは、昨年12月に椎間板ヘルニアの手術を受けている。戻ってくるのは、6月以降になりそうだ。

 ロレンゼンは、開幕から少し遅れるかもしれないが、4月中には、ローテーションに加わるのではないだろうか。それまで、5人目の先発投手として投げる可能性が高いコディ・ブラッドフォードは、昨年5月にメジャーデビューし、先発8登板とリリーフ12登板の計56.0イニングで防御率5.30。先発登板に限ると、33.2イニングで防御率6.95だ。

 もっとも、シャーザーが復帰すれば、ロレンゼンは、ブルペンに回されることもあり得る。その時点でローテーションから誰も離脱していなかった場合、シャーザーと入れ替わるのは、ロレンゼン、ヒーニー、ダニングのいずれかだと思われる。この3人のうち、リリーバーとしての経験は、ロレンゼンが最も豊富だ。イオバルディとグレイもそうだが、ヒーニーとダニングのリリーフ登板は、通算でも20試合に満たない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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