このベテランは開幕投手を辞退する。エースの代役は嫌だから…ではなく
ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)は、これまでに5度、開幕戦の先発マウンドに上がっている。ピッツバーグ・パイレーツで1度(2017年)とヤンキースで4度(2020~23年)だ。
2019年のオフ、ヒューストン・アストロズからFAになったコールは、ヤンキースと9年3億2400万ドル(2020~28年)の契約を交わした。ちなみに、コールが入団する前、2019年のヤンキースの開幕投手は、田中将大(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)が務めた。
昨年、コールは、サイ・ヤング賞に初めて選ばれた。だが、3月28日の開幕戦には登板しない。右肘を痛め、シーズン初登板は、早くても5月下旬になりそうだ。
コールに代わる開幕投手は、ネスター・コーテズが務める。MLB.comのブライアン・ホークらによると、3月15日にアーロン・ブーン監督が発表したという。
ただ、コーテズは、代役の筆頭候補ではなかったらしい。ホークやニューヨーク・ポストのマーク・W・サンチェスは、こう報じている。マーカス・ストローマンは、ブーン監督とブライアン・キャッシュマンGMに開幕戦の登板を打診され、それを辞退した――。3月30日の登板に向けて調整を行っていたストローマンは、スケジュールを変更したくない、と語ったという。
ヤンキースは、開幕から1週間続けてアウェーで試合を行う。3月28日~31日がアストロズと4試合、4月1日~3日はアリゾナ・ダイヤモンドバックスと3試合だ。コールの出遅れが決まるまで、登板の順序は、コール、カルロス・ロドーン、ストローマン、コーテズ、クラーク・シュミットだったようだ。そこから、コーテズ、ロドーン、ストローマン、シュミットに、5人目の誰かとなる。ロドーンとストローマンの登板日に、変更はない。
コーテズが開幕戦の先発マウンドに立つのは、今年が初めてだ。あとの3人は、ロドーンが1度、ストローマンが3度、シュミットは皆無。ロドーンは、シカゴ・ホワイトソックス時代の2019年に開幕投手を務めた。ストローマンは、トロント・ブルージェイズ時代の2016年と2019年に続き、昨年はシカゴ・カブスで開幕戦に登板した。
もし、これまでに開幕投手の経験がなかったら、ストローマンは辞退していただろうか。