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1週間ぶりに復帰したレンドーンが2試合続けて出場。今春初の長打を打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・レンドーン(ロサンゼルス・エンジェルス)Feb 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月3日を最後に、アンソニー・レンドーン(ロサンゼルス・エンジェルス)は、エキシビション・ゲームに出場していなかった。オレンジ・カウンティ・レジスターのジェフ・フレッチャーらによると、股関節を痛めたという。

 けれども、幸いにも、大事には至らなかった。3月10日に「4番・三塁」として復帰し、この試合は内野ゴロ2本の2打数0安打ながら、翌日は「3番・DH」として出場し、3打席とも塁に出た。四球と四球の間に、今春の3安打目、初の長打となる二塁打を打った。

 このままいけば、過去3シーズンと同じく、開幕戦のスターティング・ラインナップに並ぶことができそうだ。また、たった1本とはいえ、二塁打が出たのも、いい兆候と見ることができるかもしれない。

 レンドーンは、パワー・ヒッターではなく、ギャップ・ヒッターだ。後者は、外野手と外野手のギャップ(間)を抜く打球が多いことから、そう呼ばれる。2019年に34本のホームランを打っているものの、他に30本塁打以上のシーズンはない。次いで多いのは、2017年の25本塁打だ。一方、シーズン35二塁打以上は5度を数え、2017~19年は3シーズン続けて40本以上の二塁打を打っている。

 ワシントン・ナショナルズ時代の245二塁打は、このスパン(2013~19年)で6番目に多い。2017~19年の129二塁打は、3位タイに位置する。140二塁打のニック・カステヤノス(現フィラデルフィア・フィリーズ)と133二塁打のムーキー・ベッツ(現ロサンゼルス・ドジャース)に次ぎ、ザンダー・ボガーツ(現サンディエゴ・パドレス)と並ぶ。ちなみに、当時のベッツとボガーツは、ボストン・レッドソックスでともにプレーしていた。

 過去3シーズンとも、レンドーンは、開幕戦には出場したものの、シーズン序盤に離脱している。各シーズンにおいて、最初に故障者リストに入ったのは、2021年が4月12日、2022年が5月28日、2023年は5月15日だ。この3シーズンの故障者リスト入りは、計8度を数える。

 今年は、三塁を守るだけでなく、DHとしても出場することで、怪我のリスクを軽減できるのではないだろうか。これは、レンドーンのチームメイト、マイク・トラウトにも当てはまるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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